昨日の佐賀県での講演会で、また、「がんで幾らお金がかかるのですか?」というご質問を受けた。
私は、講演を通じて、様々なお話をしていますが、お金のご質問をよくいただきます。
2つに分けて、ご説明するのですが、一つは「治療費」、もう一つが「治療費以外」です。
そして、私のポイントは「治療費以外がとても経済的に負担が大きい」ということを申しているのですが、、
講演に参加する人は、どういうわけか、、「治療費」にばかり興味がある。
だから、新しい資料を作り、佐賀県でお話したのですが、、
というか、、佐賀県の主催者さんが、前夜に電話されて、
大久保さん、治療費で幾らかかるのか、説明してください、そういわれました。
ぎゃー、また、この質問だ。
いつも申しているのですが、
「人によって(かかる治療費は)違います」
これが私の答えです。
これが正しいし、そう答えるのが、一番いいと思うのですが、、
そうれじゃ答えになっていないとか、やじられるので、私が運営するNPO法人5yearsのアンケート結果を出して、
治療費、15万円~1500万円までいました。
これが事実です。
人によって違います。
そうすると、、これじゃ答えになっていない、と言われることがあるので、15万円~1500万円まであったいろんな人の治療費の単純平均だしたら、
そんな平均だしたくないけど、、
217万円でした、と答えたら、、
じゃあ、がんで幾ら治療費かかるんですか?と
ぎゃーと言いたくなる、続きのご質問を頂いちゃいました。。
だから、佐賀県のビジネスホテルで、夜な夜な追加のプレゼン資料を作り、次の日説明したら、
みなさん、納得して、し~んとされました。
その内容をご説明します。
がんの治療費は、「4つの「よって」」によって違います。
(1) がんの種類によって異なります。
がんだけでも、56種類以上ある。脳腫瘍、目のがん、口のがん、上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がん、食道がんに、肺がん、乳がん、肝臓がんに腎臓がん、
ぎゃーとても書けない。
たくさんあるのに、「がんでいくら、、」とか色々あるのに、がんの種類によって費用も違うでしょ!というのが、一つ目。
(2) 進行ステージによって異なります。
がんには、進行ステージというものがあり、ステージ1、ステージ2、ステージ3、と転移が進むごとに数字が上がります。
もちろん、そんな単純なものではないのですが、解りやすく言うと、がんが広がって、進行すると、数字が上がります。
そうなると、受ける治療も異なる。
例えば、私の精巣がんだと、ステージ1なら、「手術」だけでいいかもしれないけど、私のように最終ステージの3になると、「手術」「抗がん剤治療、最低3クール」、そして「手術」と、治療がいっぱいあります。
そうなると当然、治療費もかさみます。
だから、進行ステージによって、かかる費用だって変わるんです。
いろんなステージの人いるんですから。
(3) 治療によって違います
抗がん剤って、1つだと思ってる人が、結構いらして、びっくりする。
そういう私だって、がんにならなければ、たぶん、1つだと思ってた気もする。
でもですよ、70種類以上あるんです。抗がん剤は。
そして、それぞれが値段が違う。
1万円くらいのものから100万円を超すものまである。
だから、使う薬によって、治療費が、全然、変わってくるんですよ。
また、手術だって、40種類以上あって、受ける手術によって、値段が違う。
だから、受ける治療によって、治療費が変わるんですよ!
同じ、胃を切るにしても、手技、内視鏡、腹腔鏡、とか、3種類の手術なんかがあって、それぞれ、点数が違うから、手術の値段が違うんですよ。
(4)薬が効くか、効かないか、によって違う。
こうなると、もう、わけわかんなくなりますが、同じがんでも、薬の効く人と、効かない人がいる。
だから、BEP療法という抗がん剤治療を、3クールで終わる人もいれば、なかなか効かなくて、5クール、6クール、7クールと長期間受ける人もいる。
そうなると、使う薬の量が変わってくるから、当然のごとく、治療費が変わる。
「がんの種類によって」、「進行ステージによって」、「受ける治療によって」、さらには「その治療が、効くか、効かないかによって」、
人それぞれ、がん治療費が異なるんです。
そう説明したら、しーんとして、
もう「がんで幾ら治療費がかかりますか?」
とは、質問されなくなりました。。
よ~く、解りました。ありがとう、と初めていわれました。