❏❏❏ 回顧録:2007年5月23日 東京・慈恵医大病院

 

第3クール2日目(Day-2)

 

良い血管がなかなか見つからず、何回も点滴注射針を打ち直し、11時に抗がん剤シスプラチンの投与が始まった。

 

今日まで、何回、注射針を身体に打っただろうか?

 

採血の注射、これは、2~3日に1回採取している。

 

抗がん剤により、身体の中は異常をきたす。

 

その状況をモニタリングするために、針を打って血液を採取する。

 

2日に1回なら、1ヵ月15回だ。

 

既に2ヶ月が経っている。

 

採血だけで30回も注射を打っている。

 

そして点滴針。

 

1クールに6~7回、点滴針を打っているとしたら、3クール目、16回となる。

 

そしてノイヤップの注射。

 

これは、1クール、10回以上打ったから、24回として。

 

数えるだけで、既に注射針を70回も打っている。

 

手術の時なんか、何カ所も針を打つ。

 

なんたって、麻酔の注射針を脊椎にいくつも打つ。

 

そして、点滴注射。

 

既に100回以上も注射針を打っていることになる。

 

そしてこれが、まだ、がん治療の始まりの段階。

 

冗談ではないと思った。

 

これ程、血管を痛めつけて、いいわけがない。

 

でも、これしか方法がない。

 

この日、午後3時に2つ目の抗がん剤「エトポシド」が、注射針を通じて、私の血管の中に入っていった。

 

体調は50点。

 

きびしい毎日が続いている。