❏❏❏ 回顧録:2007年5月18日 東京・慈恵医大病院

 

第2クール18日目(Day-18)

 

夕方、自分の病室で疲れていた。

 

検査は疲れる。

 

造影剤を使った検査は、怖かったが、何も起こらなかった。

 

讃岐先生の説明によると、造影剤は夕方にはおしっこと一緒に身体から出てしまうという。

 

それを聞いて安心した。

 

この日は病室に泊まることにした。

 

なんともへんてこな表現だが、抗がん剤治療が無いから、自宅に戻っていることが多かったのだ。

 

夕方、会社の人とホテルの焼き鳥屋でご飯を一緒した。

 

いま、チームの仕事がどのような状況で、何に困っているのか、そんな話を聞いた。

 

会社の話し、仕事の話は、今の私には刺激的だった。

 

とても懐かしく、でも、新鮮だった。

 

自分が社会から隔離されていることを再認識すると同時に、早く治療を終えて、元の生活に戻りたい、その想いを強くした。

 

食事の後、自分の病室のある病院に戻った。

 

病室に戻ると、どうしても、患者特有のぐた~とした元気のない感じになってしまう。

 

なぜだろう。

 

きっと、パジャマがいけない。

 

スリッパもよくない。

 

私はなるべく、パジャマは着ないことにして、ジャージ姿にした。

 

でも周囲はお年寄りだらけで、パジャマ姿が殆どだ。

 

そんな風景の中にいるのだから、ぐた~とした感じになってしまう。

 

魂を重力に引かれる感じだ。

 

夜9時。

 

消灯になった。