❏❏❏ 回顧録:2007年4月30日 東京・慈恵医大病院

 

Day-21 (21日目)

 

ついに全身化学療法、第1クールの最終日となった。

 

髪の毛は、もう1/3くらいしかない。

 

頬もこけ、げっそりしている。

 

外見は以前と変わった人になっていた。

 

色々なことがあったが、何とかここまで来これた。

 

早朝、私の血液が検査室に送られた。

 

抗癌剤治療の効果をみる最後の日だ。

 

そして、昼過ぎ。看護師3人が私の病室に入ってきて、

 

「大久保さん、やりましたよ!凄い、信じられない!」

 

手渡された、検査結果もみると、3つの腫瘍マーカーの阿多がいな並べられていた。

 

LDH:   212 (正常値<235)

HCG-β: 0.1以下 (正常値<0.1)

AFP:   8 (正常値<10)

 

検査結果表を見た瞬間、合格通知を貰ったような気持ちになった。

 

「本当に、1クールで全部、正常にできた」

 

私は、看護師達とハイタッチをし、抱き合って喜んだ。

 

彼女たちも涙ぐんでいた。

 

看護師たちも、患者の検査結果が良いのはうれしいのだ。

 

私は、人生の危機的などん底から、少しだけ這い上がれた気がした。

 

そして、これは次の第2クールに大きな励みとなった。

 

本当にここまで長かったが、私のがん治療に一つの区切りがついた時だった。

 

このときは、そう思った。