❏❏❏ 回顧録:20077年4月20日 東京・慈恵医大病院

 

Day-11(11日目)

 

抗がん剤治療BEP療法は21日が1クールだ。

 

11日目のこの日は、ついに半分を過ぎたことになる。

 

Day-11も薬の投与は予定されておらず、ひたすら回復に努める日だ。

 

先生たちはこの日も外出を許可してくれた。

 

精神的にリフレッシュするし、なにより動き回ることで体力も回復する。

 

この日も妻が見舞いに来てくれた。

 

洗い立てのパジャマと洗い立ての下着を持ってきてくれた。

 

折角、外出できるのだからと、2人で外にでて食べることにした。

 

しかし、お昼時、どこの店も混んでいて入る気になれない。

 

なぜなら、私の白血球数は少ない。

 

抗がん剤の副作用・骨髄抑制により減っている。

 

もし、混みあった場所に行き、インフルエンザとか感染症にかかるとマズい。

 

だから、中華料理屋が店先で売ってる弁当を買って病室に戻った。

 

病室で2人、病院食ではなくお弁当を食べる。

 

何とも不思議な気分だった。

 

この日はお弁当を買いに行くだけにして、遠い所にはいかなかった。

 

なぜなら、前日、バスを乗り継いで自宅近くのマクドナルドまで行ったが、かなり疲れていた。

 

体力の衰えが激しい。

 

妻は夕方になり子供たちの帰りを待つため帰宅した。

 

いつものことだが一人、病院に残されるのは、寂しい。

 

夜、再び外出して、病院近くにあるCoCo壱番屋カレーライスに行った。

 

普段、カレーライスは食べないが、なぜか無性に食べたくなった。

 

抗がん剤治療から,食の好みが多少変わったのか?不思議だった。

 

このまま病室に戻るのは嫌だったので、コンビニで缶コーヒーを買って帰った。

 

缶コーヒーにおもちゃのミニカーがついていたので、嬉しくなって買った。

 

もう、外は真っ暗。

 

病室に戻り、ミニカーをサイドテーブルで滑らせていたら、また、泣けてきた。

 

いい大人が、おまけのミニカーに幸せを感じるほど、幸せに飢えている。

 

抗がん剤治療って、心までダメージさせるのか、、?

 

病院での一日が、また、終わった。