❏❏❏ 回顧録:2007年4月3-4日 東京・自宅
体温38℃5、腰が割れるように痛い。
救急でインフルエンザを疑われたが、それではなかった。
いかなる感染症でもない、そう分かった。
妻を含め、我々3人の間には、なんともモヤモヤした嫌な気持ちが残った。
この時は「なぜ、こんなに背中と腰が痛いのか?」私には解からなかった。
1週間後に解るのだが、原因はこうだ。
後腹部のリンパ節に癌(がん)が転移していたのだが、それが更に大きく腫れ上がり、“ゴルフボール”くらいの大きさまでになっていた。
通常、リンパ節は、“大豆”くらいの大きさだ。
40個以上あるリンパ節が、いくつも腫れあがり身体の内から神経を圧迫する。
その痛みだった。
大豆ぐらいのものがゴルフボールまで40個膨れ上がれば、騒然、身体の中の神経を圧迫する。
何もしていないのに、激痛が走った。
改めて、がんの脅威を知る。
しかし、この時は、なぜ痛いのか?解らなかった。
翌朝起きて、歯を磨いていると、ハッとした。
何となく、首の左の付け根が膨らんで見える。
「今度は、何なんだ、もうやめてくれよ!!」
両乳首の腫れも、大きくなっていた。
以前、“10円玉、1枚”くらいだったのが、“2枚”くらいになっている。
そして、ついに首まで来ている。
致命的な部位にまで異常が起きていて、真っ暗な気持ちになる。
更に悪いことには「昨日、救急で病院に行った。だから、二日連続で、病院に行くのは良くないよな」などと、病院で診てもらうことをためらった。
病気慣れしていない私は、「病院に行くことを、躊躇し、再び我慢」する。
自分の闘病を振り返り「我慢してはいけない局面で、我慢すること」の危うさを痛感する。
病気の時になんか、我慢してはいけない。
絶対に。