❏❏❏ 回顧録:2007年3月18日 東京・慈恵医大病院

 

2007年3月18日 東京・慈恵医大病院

 

精巣腫瘍の摘出手術から2日が経った。

 

手術後の初めての日曜日である。

日曜日の入院病棟は「何とも静かで、さみしい」感じがする。

 

隣の外来棟が休みだから、勤務している医師と看護師も少ない。

 

この日2007年3月18日は、第10回東京・荒川市民フルマラソン大会の日だった。

 

本当なら、私も走っていた。

参加申し込みしていたから。

 

しかし、2月の足首骨折で大会参加は有り得ない事となり、3月の癌発病で不可能となった。

 

そのマラソン大会も愛着のある大会だった。

長野の父親と一緒に3回ほど出場した。

 

荒川の土手を往復するコースだが、一万人近く走るので土手は大賑わいだ。

 

今こうして、ひっそりとした入院病棟にいる自分が不思議だった。

 

「皆、頑張って走っているのかな?」

出場している仲間たちの事を思った。

 

だが、今の私は熱が39.5度もある。

もうろうとしている

 

入院してから、解熱剤ロキソンを止めていた。

 

解熱剤を一時的にでも止めると、こんなに熱が上がってしまうのかと愕然とした。

 

今の私の身体は、本当に病人だ。

それが悔しくて仕方がなかった。