❏❏❏ 回顧録:2007年3月11日 自宅
・・・・・
横になり寝ていると、汗をいっぱいかいた。
「何が起きたんだろう?」
自然に不安になる。
考えてみれば、夜中、暑くて汗をかくことなんか、普段の生活で幾らでもあるはずだ。
しかし、私は癌(がん)を告知された私は、すべてに怯えていた。
「何か、嫌なことが、体の中で起こっているのだろうか?」
たかが、汗をいっぱいかいただけで、そう思う。
私は、机のコンピューターに向かい調べごとを始めていた。
ランス・アームストロング選手に関することと、癌(がん)と精巣腫瘍に関してだ。
アームストロングは、私と全く同じ精巣腫瘍を患っていた。
しかも、彼は今も生きている。
ツール・ド・フランスを7連覇したアメリカ人で、テキサス州オースチンの出身だ。
実は、13年前そのテキサス州オースチンに一人住んでいたことがある。
それもあって、とても身近な人に思えた。
彼の書いた闘病の本があると分かり、早速、アマゾンで注文した。
届くのが楽しみになった。
一方、癌(がん)と精巣腫瘍をインターネット検索すると、気分が落ち込んだ。
がん患者たちの闘病記録がいくつもあるが、いずれも生々しい。
そして、痛々しい。
読んでいて、患者である自分すら辛くなってくる。
本人達なりに明るく振舞っている場面もあるのだが、無理があるように思えた。
そして、幾つかのブログは、ある時から更新されていない。
「この人は、まだ生きているのだろうか?」
自然とそんなことを思ってしまう。
「まだ、生きていてほしい。いや、絶対に生きている。」
そんな気持ちで、がんと精巣腫瘍についてのネット上の情報検索を続けた。
※ 先に同じがんを患ったアームストロングの話が、私の心を支えていた。