今日は、東京都中野区にあります、大妻中野中学校の塾関係者説明会に2名で参加してまいりました。
西武新宿線新井薬師前駅より徒歩8分で到着するのですが、今日西武新宿線で人身事故があった影響でJR中央線中野駅より10分歩いて到着しました。
この学校には去年、一昨年に続いて3回目の訪問となりました。
過去の記事については、下記のリンクよりご覧下さい。
始めに、学校長の野崎先生より大妻中野の教育方針についてというテーマでのお話がありました。
「人生100年時代」の中では
今後の生き方を自分で判断できることが重要であり、グローバルな感覚のもとで建学の精神である自律・協働・貢献を軸に、自国の文化や伝統の理解に基づく自己認識や、人類や環境など地球社会規模での調和・共存という視点に根ざした、あたたかい配慮を含んだ感覚を育てていくとのことです。
また、今後の学びに関わる具体的観点として、
・自分自身の国際化
・最新技術の主体的駆使
・情報・数学的・化学的リテラシー
・英語を含んだ他言語の活用
を重視した改革にいち早く取り組み、今はその成果がだんだんと実を結び始めているとおっしゃっていました。
次に、生徒による学校紹介のVTRを見せていただきました。
様々な学校がこのような学校紹介の映像を持っていて説明会などで私どもに見せてくれるのですが、いわゆる“プロ”が作った映画さながらのVTRであったり、生徒たちが手作りで学校のことを紹介する映像を撮って編集して作ってくれたんだなというものであったりといろいろあります。
今日見た映像はおそらく生徒たちが作ったものと思われるのですが、非常に完成度が高く、プロが作ったものなのかなと思いました。
印象的だったのはみんながとても楽しそうに学校生活を楽しんでいるなというところで、やはり6年間通う学校なのだから、校風や居心地という点はとても重要であるなということを再確認できました。
次に、教頭先生からコース制と大妻中野の取り組みについてのお話がありました。
2018年からコアコースを廃止し、アドバンスドコースとグローバルリーダーコースの2コースの設置となりました。
アドバンスドコースがオーソドックスなコースなのに対し、グローバルリーダーコースは英語の授業がALL ENGLISHであったり、フランス語が必修であったりと大妻中野グローバル教育の核となるコースになっています。
また中3進級時以降コースの変更が可能となっていますので、中学入学時の段階で0から英語を始めた生徒さんも入学後の取り組みと意欲によって、帰国生が中心となるコースに移ることができるという点は大きな魅力なのではないかなと思います。
また、帰国生が多いのも特徴です。
大妻中野の海外帰国生は全体の11% 約160名の在籍ということで、都内の女子一貫校では頌栄女子学院に次ぐ割合となっているようです。
先生は、英語ができる子を集めるために帰国生入試を行っているのではなく、“海外在住経験は宝物である”という考えで行っているので、日本人学校に通っていて帰国生でありながら英語に大きな自信のない生徒さんもどんどん来て欲しいということを強調されていました。
また、2013年に最新のICT環境を整えた新校舎を完成させて以来、手を休めることなく改革を進めてきて、
2015年にはSGH(スーパーグローバルハイスクール)アソシエイト校指定を受け、ICT環境での授業実践を開始。翌2016年から生徒は一人一台タブレットを所有。この年から「グローバルリーダーズコース」新設し、「グローバル入試(英・国・算)」を新導入。そして今春2017年には「新思考力入試」新設。「グローバル入試」を1回→2回に増設したといった改革が終了し、成果が見える時期に入ってきているとのことです。
1人1台の端末、ポートフォリオといったICT教育では、先進校という立ち位置で他校が勉強しにくるほどです。
これからの大妻中野生の活躍がさらに楽しみです。
また、卒業生の進路については、
73.3%が4年制大学進学
15.9%が大妻女子大
15.9%が進学準備
という結果でした。
主な合格実績は
・医学部→9名
・獣医→7名
・薬学・看護→73名
・理工農→42名
・海外大→3名
・国公立→7名
・早慶上理→28名
・MARCH→92名
という結果でした。
概ね昨年より合格者数を増やしており、特に早慶上理などの合格が難しくなっている中合格者数を伸ばしたということは素晴らしいと思います。
2020年度入試については、
主に3つの変更点があります。
1つは、2018年から導入された算数入試の日程が昨年2月1日から今年は2月2日の午後に行い、配点も60点から100点のものとする点です。
2つは、海外帰国生入試における、英語能力試験スコアの見直しということで昨年の英検準2級目安から2級レベルに難化したという点です。
3つは、グローバル入試における、英語能力試験スコアの見直しということで英検CSE2.0スコア1728点以上だと算・国のみの試験となり、英検CSE2.0スコア1980点以上だと面接試験のみとなるそうです。
この英検CSE2.0スコア1980点以上は2級レベルということで、英語のみでこの学校の合格を得るにはかなり難しいのかなという印象を受けました。
アドバンスド入試の複数回受験者優遇措置は、一般的な○○点加点といったものや繰上げ時優遇といったものではなく、過回受験した各科目の得点も含め最も高い得点を用いて合否判定という措置がとられます。
例えば、第1回で
・国語 53点
・算数 40点
・社会 26点
・理科 22点
という結果で不合格となった場合に
2回目の試験が
・国語49点
・算数45点
という結果でも、国語は1回目の得点(53点)、算数は2回目の得点(45点)で合否が判定されるというものです。
ですので、2月4日に初めて大妻中野を受ける受験生Aと、4回目の試験を受ける受験生Bでは、
1回の点数が合否判定に使われるAに対し、過去4回のベストスコアが合否判定に使われるBといったような関係があることがわかります。
併願パターンを決めていく際にはこの点も十分考えなければいけないのかなと思います。