【ラッパの吹き方考察】5.息の吐き方について(2)口笛を吹くように吐いてみよう | Jung Brass Collectionのブログ

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トランペットを始めて早ウン十年。お蔭様で今も充実したラッパ活動を楽しんでいます。これまで経験した所感や、今振り返る考察など、トランペットや音楽にまつわる話と、趣味のブラスアンサンブルアレンジの活動の記録です。

ということで、柔らかい音色は引き出しに仕舞っておいて、張りのある遠くに届く音を考察することにしました。気づかないふりをしてきたスピードのある息ですね。

 

息をたっぷり吸うことや、お腹でしっかり支えることが必要なことは周知の事実ですが、これらの点については後ほど考察するとして、まずは、単純に吸った息をどのように「吐く」かに絞って考察します。

 

はい、簡単です。フゥーと吹くだけ。先の木本氏は「遠くのロウソクの火を消すつもりで息を吐く」と仰っています。数々のトランペット奏法のYoutube動画をアップし大変参考にさせていただいたCharlie Porter氏は「Cooling Soup」と仰っています。つまりスープを冷ますように吹くわけです。皆さんも、ロウソクの火を消したこともあるし、熱いスープやみそ汁、ごはんを冷たい息で冷ましたことがあるでしょう。どうやら、これが大きなヒントというか、答えのようです。ほんと、これまで吹いてた「冷たい手を温める暖かい息」と真逆。。。

 

でも、理に叶ってます。木本氏の提唱するアンブシュアで、既に「唇の形はフゥ~とロウソクの火を消すような形」と仰っています。この形で、そのまま息を出せばいいわけです。とても自然。そういえば、口笛を吹くようにとも仰っていました。これ、解りやすい!

 

ということで、口笛を吹くようにトランペットを吹けるように考察してみます。

 

慣れないと違和感があるもの。フゥーと息を入れてみるとビャーっと広がるような荒い音色。やっぱり暖かい息で柔らかい音が~と思うも我慢して練習。唇の振動する部分や、振動の感じ方など、これまでと違ってくるのでしょう。木本氏が仰る通り、まずはしつこいくらい中・低音域でロングトーン。唇の反応をよくするために、音が鳴らなくても擦れても小さい音でアパチュアを小さめに意識し根気強く息を流します。まだ、この段階では早いスピードは意識せず、そぉ~っとppで。私の場合、すぐにとはいかなかったものの、数日後には「音」になってきたので、そこから、Fより下の音をppでしつこくロングトーン。そうすると唇がだんだん馴染んできました。兎に角、最初は「唇の反応を良くすること」「正しい息の吐き方を無意識にできるよう意識的に吐くこと」だけを考えてひたすらppでロングトーン。慣れてきたら、その音域でスケールやタンギングの練習をして更に慣れていくことを試みました。

 

だんだん慣れてくると一つ注意すべきことが見えてきました。「アパチュアを開かず、なるべく細い息をイメージすること」。最初にビャーっと荒れた音になったのは、力任せに吹きアパチュアが広がり無駄な息が沢山でてしまったからだと考えます。そう、無駄な息をなくすことが凄く大切。これが、高音域のコツに繋がります。

 

 

Charile Porter氏のレッスン動画です。All 英語ではありますが、バズィングについての講義です。バズィングの良し悪しの議論もありますが、私は、正しいアンブシュアで反応のいい唇を作るには非常にためになる動画でした。