物語は大きな湖の岸辺の町で起きた雑居ビル火災に始まり、麦野沙織・保利道敏・麦野湊の3人の視点で描かれる。

 

 是枝裕和監督の2023年の作品。カンヌ国際映画祭において脚本賞を受賞している。

 

 是枝監督の昔の作品を観ると、途中でダレる様なところがありましたけど、この作品は最後まで緊張感を保ってままです。さすがと言う感じ。プロの脚本家が書いたという感じがします。脚本 坂元裕二。

 

 羅生門スタイルというのでしょうか、3人の視点で描かれているので、最後の麦野湊の視点のところで、本当のことが分かるようにできています。なぜ彼らが嘘をついたのか・・・。

 

 「怪物だーれだ」という子供の遊び。劇中で使われているのですが、最初安藤さくらが演ずる沙織のことかと思うのですが、それぞれ秘密を抱えていて、他人を陥れていく「怪物」としてふるまっているので、登場人物すべてが怪物なのかという話になるのですが、重要な人物であるはずの依里の怪物としての側面は途中見えてこない。最後に放火犯人が示唆されて、「ああ、やっぱり。」と思いますね。