当代きっての歌舞伎役者で誰もが知る女形のスター坂東玉三郎。虚構と現実をないまぜにした幻想的な作品を得意とするダニエル・シュミット監督が、女形という特異な存在を通して、ジェンダー、生と死、そしてフィクションとドキュメンタリーの境界線上に、虚構としての日本の伝統的女性像を浮かびあがらせる。「鷺娘」「大蛇」「積恋雪関扉」を演じる玉三郎の美しい舞台映像。そして、撮影後ほどなくしてこの世を去った女優・杉村春子、日本舞踊家の武原はんの語りや、舞踏家・大野一雄の荘厳な舞踏など、20世紀末日本の黄昏に消えゆくレジェンドたちの“最後の姿”を捉えた貴重な記録。
私、あまり玉三郎好きではないんですよね。舞台で初めてみたのは、大学生のころだったかな・・・。家族で玉三郎さんが客演している新派の舞台を見に行った。なんか大きくて本物の女性にまじると奇妙な人に見えました。父親の感想も、「女と比べるとよくないなあ。手が大きいし・・・。」
その後も、玉三郎主演・演出の「天守物語」を見に行きましたが、玉三郎さんに演出家としての才能はないように思えた。
舞台で見るより、写真をのほうが美しい人だと思いました。特に篠山紀信が撮った写真は、さぞや劇場に人を呼び込んだと思います。
この映画には出てきませんが、「娘道成寺」の舞台も見た記憶があるのですけど、腰がふらつくような感じがあって踊りがいまいちだと感じてしまいました。
おそらく、彼の舞踊の当たり役はこの映画の「鷺娘」や、若いころの「藤娘」ではないかと思います。道成寺は、最初に烏帽子をかぶって踊る部分にキリッとした男らしさのようなものが必要かなと思います。中啓(扇)で鐘をを指すところは見せ場です。
そういうの、玉三郎さんはない感じがします。
この映画の中で、黄昏芸者情話というフィクション映画が挿入されています。二人の男が芸者の玉三郎をとりあう。簡単な三角関係。セリフは、電話にでた玉三郎が「はい」という一言だけ。ストーリーは想像しろということでしょう。
おそらくは、美しい芸者にぞっこんの二人の男は、別れろ切れろの決闘になって、片方が片方を殺すか半殺しかの目に合わせて、「一緒に逃げてくれ」と芸者に持ち掛けるくらいかな?芸者のほうは、二人ともお客様。彼の訪れる時間帯に家の近所に美しい芸者姿で隠れている。女を二人の男が取り合うとヒロインを魅力的に見せる簡単な方法ですね。フランス映画によく出てきます。
この当時、玉三郎は45歳。油の乗り切った女形ぶりです。

