全世界14億人以上の信徒を誇るキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。新教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」に世界中から100人を超える候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票がスタートする。票が割れる中、水面下でさまざまな陰謀、差別、スキャンダルがうごめいていく。選挙を執り仕切ることとなったローレンス枢機卿は、バチカンを震撼させるある秘密を知ることとなる。

 

 

 平日の昼間のサービス・デイに見てきました。名古屋は2館しか興行しなかったようです。そのせいか、一日3回の上映の一回目が、半分以上座席が埋まる大盛況。シニアのお客さんが多かったです。あと上映前の合間の時間に文庫本を広げてる知的な若い女性とか・・・。ハリウッド映画の人気が無くなってると聞きますが、こういう映画を日本のシニア層は、求めているようですね。

 

 コンクラーベという言葉を聞いたのは、高校生のときかな。こんな言葉を知ってる人ならこの映画に興味を持つでしょうね。今回、ちょっと枢機卿とかコンクラーベとか調べてみました。

 

 枢機卿というのは、大司教・司教みたいな高位の聖職者から教皇が任意で任命する人なのだそうです。この80歳未満の枢機卿にコンクラーベに参加する権利が与えられます。映画の中では、72票とったら当選。ということは、106~108人ですか・・・。108の内の2/3以上の得票で選出され、枢機卿団の数が3で割り切れない数字の時は、2/3+1票が必要になります。

 

 映画観て気付くのは、立候補するとか推薦人を何人あつめるとか、どこかの国の政党の総裁選とはちがって、互選で秘密投票を繰り返すということです。枢機卿団の投票に参加している枢機卿はだれでも、教皇に選ばれる可能性があるわけです。

 

 

 イタリア人を選出したい人が談合したり、蹴落としたい枢機卿の過去のスキャンダルをほじくり返してある枢機卿の子供を産んだシスターを会場に呼んだり。

 

 聖職者といえども、権力の周りに蠢く人たちは、他の組織と変わらない。ローマ教皇庁に悪意があるような気もしますが、当世キリスト教の権威も地に落ちてるので、仕方ないのかも・・・。

 

 映画は、素晴らしいです。俳優たちの演技も・・・。結末もとても意外でした。枢機卿になれるのは、男性だけというルールがヒントです。