会津藩士・高坂新左衛門は家老より直々に長州藩士を討つ密命を受け、同胞とともに京都へ。しかし戦いの最中、落雷により現代(設定では2007年頃)へタイムスリップしてしまう。

 目を覚ました場所は京都の時代劇撮影所。撮影所で騒動を起こし、見知らぬ現代の街へ飛び出した高坂は、シャッターに貼ってあるポスターで自分が幕末から140年後の日本に来てしまったことを知る。元の時代に戻る術もわからないまま彷徨い続け、疲れ果てた高坂はある寺の前で眠ってしまう。翌朝、住職夫妻に助けられ、寺に居候することとなる。

 ある日、テレビで放送された時代劇を見、寺で時代劇の撮影に立ち会った高坂は、斬られ役こそ現代において自分に出来る仕事と思い、斬られ役のプロ集団「剣心会」への入門を希望する。

 

 

 話題になっている映画ですね。最初の公開は、2024年8月。自主製作映画なので、最初は1館公開。その後、上映館が広がって、うちの近くのシネコンでも上映してたので、見に行きました。平日昼間の上映で、観客は10人くらいでした。平日としては入っている方じゃないかな。週末は、結構席が埋まるのかもしれないですね。

 

 ネタばれします。

 

 やはり、最後の決闘シーン。真剣で闘うんですが、会津藩士と長州藩士の戦いの続きであり、しかし、140年後の世界に来ていて日本の時代劇の映画に出ている俳優同士でもある。

 両方の決着がついているんですよね。会津藩の恨みを長州の侍を倒すことによって果たす。これは、映画の中で。

 絶滅しかけている日本の時代劇を残したい俳優同士で、共に生きていく。彼らの実人生で・・・。

 

 映像きれいでしたけど、カメラが動かないんです。小津映画のように動かない。また、最近の日本映画に比べると、ゆっくりした展開です。

 やはり製作費が少ないのは、主演女優の衣装が寂しいのに出てました。時代劇の着物の部分は、あまり感じませんでしたけど、太秦の撮影所が前面協力したのだそうですね。

 

 主演の山口馬木也は、端正な顔立ち、演技、殺陣、揃ってるんですけど、これまで無名だったのは、顔に特徴がないからかなと思いました。印象に残らないハンサムのような。

 

 やはり、映画は脚本だなと思わせる作品ですね。2000万円の私財を投じた監督は、通常映画制作会社に入る収入を独り占めに出来るのではないでしょうか・・・?