信仰や死、国家と教会、貧困、児童虐待、父子・兄弟・異性関係などさまざまなテーマを含む、『罪と罰』と並ぶドストエフスキーの最高傑作。
3回目、小説を3回読み通したのは、これが初めてです。1800頁。
よくこのブログに書いている通り、私は小説の筋をほとんど忘れてしまう人間なので、「父親殺しのはなしだよな・・・。」ぐらいしか覚えていないんですよね。登場人物の名前も、三男のアリョーシャ(アレクセイ・カラマーゾフ)と召使のスメルジャコフしか覚えていない。あと、葱おんなの説話ぐらい・・・。
過去二回は、なんて面白い小説なんだ、という感想だったと記憶しているんですが、今回読んだらさほどでもないと感じました。始めの二回は、若いころに読んでいて、キリスト教について何も知らなかったので、宗教に関する部分は、字面読んでるだけで読み飛ばしてたんですね。
宗教に関する部分はやはり退屈です。でも、イワンの「大審問官」など読むと、無神論者と公言しているイワンが一番キリスト教に支配されている。スメルジャコフに父親に対する内なる殺意を指摘されて、せん妄症状を起こしてしまう。父親殺しに関する罪悪感を一番持っているのもイワンかも・・・。
登場人物の一人ひとりが、とても個性的でユニークな人物ばかりなのですね。
私は、小説の登場人物にあこがれたことがない人間なんですが、このアリョーシャにだけはあこがれる。でも、アリョーシャが彼氏だったら困るような・・・。こういう人の女性版になりたいなと思います。小説の中では、父と2人の兄と関係者の間を駆け回ってるだけで、特に何もしないんですけど・・・。悪いことをしないからかも・・・。一応、この小説の主人公だと思います。