近未来。巨大砂嵐が日常的に発生する異常気象により地球規模で植物・農作物の大量枯死が発生し、人類は滅亡の危機に晒されていた。元テストパイロットのクーパーは、義父と15歳の息子トム、10歳の娘マーフィー(マーフ)とともにトウモロコシ農場を営んでいる。マーフは自分の部屋の本棚から本が勝手に落ちる現象を幽霊のせいだと信じていたが、ある日クーパーはそれが何者かによる重力波を使った二進数のメッセージではないかと気が付く。クーパーとマーフはメッセージを解読し、それが指し示している秘密施設にたどり着くが、最高機密に触れたとして身柄を拘束される。
 そこでクーパーはかつての仕事仲間のブランド教授と再会し、大昔に無くなったはずのNASAが秘密裏に復活し活動を続けていることを知らされる。NASAは土星近傍のワームホールを通り抜けて、別の銀河に人類の新天地を求めるプロジェクト―ラザロ計画―を遂行していたのだった。

 

 2014年の、近未来SF映画。

 

 この作品、今年の夏ごろ観てたんですが、その時思いました。相対性理論を使ったSF映画を初めてみたわ・・・と。

 

 その後、職場で同僚とお昼の食堂で一緒になったら、私をインテリだと勘違いしたのか、その人が相対性理論に言及した。相対性理論がどんなものかもよくわからないけど・・・と、前置きして「この前、相対性理論を使った映画を観たわ。」という話をしたら、その人は「バック・トゥ・ザ・フューチャー?」と聞き返した。「いや、相対性理論で過去に戻れるってないんだよね。」といって、この映画のあらすじの相対性理論が目立つようにに使われてる部分を説明した。

 

 先発した、ラザロ計画の探査船の行き先の一つで、クーパーたちが最初に降り立つ星、この星の1時間が地球上の7年間に相当するという設定。最初は、1時間で母船に戻れる予定だったが、3時間くらいを過ごして戻ったら、ロミリーという留守番役の乗組員が髭に白いものが混じるような年齢になっている。

 

 その人は、勘の良い人で、「ウラシマ効果?」と即座に聞き返した。「うん、そうだね。」と相づちを打った。

 

 子供の頃から、太陽系の外に何かを探しに行って地球に戻るというようなミッションのアニメや映画はたくさんあったけど、光速(1秒間に30万Km)を超える速度で移動するという航法はあっても、それによって時間のすぎ方が変化するというような描き方は、ほぼなかった。多くの人に相対性理論が理解されていなかったせいだろうと思う。

 

 アインシュタインが1916年に一般相対性理論を発表しているので、100年経つと、エンタメ映画の世界にも使われるようになるということでしょうか・・・。

 

 この映画の疑問に感じる点は、私は2つ。地球が滅びかけているという理由と、最後の方でクーパーがブラックホールの中に入ってマーフとコンタクトをとる場面で言及される「彼ら」とは?

 

 砂嵐が吹いて、植物が疫病に侵され、食糧危機に陥っている。なんか、説得力に欠けるよな・・・と、思います。エネルギーと水の問題を避けて、政治的な風刺と捉えられないようにしたのかもしれません。

 

 「彼ら」も、全知全能の神とかかと最初思いましたが、この映画の解説動画などを観たら、「五次元」に存在する誰か達となってました。人間の目には見えない存在です。でも、どうして「彼ら」が人間にかくもフレンドリーなのかは、謎のまま。

 

 クリストファー・ノーランは、この映画について、「見た人が、科学や宇宙に少しでも興味をもってくれたらいい。」と語ったとのことです。