お江戸・神田八丁堀の住人、栃面屋弥次郎兵衛(とちめんや やじろべえ)と、居候の喜多八(きたはち)は、それぞれの人生で思うにまかせぬ不運が続き、つまらぬ身の上に飽き果て、厄落としにお伊勢参りの旅に出ることを決意した。身上を整理して財産をふろしき包み一つにまとめ、旅立った二人は、東海道を江戸から伊勢神宮へ、さらに京都、大坂へとめぐる。
“真夜中の”とタイトルにあるので、“真夜中のカーボーイ”を、冒頭ではチョッパーのオートバイ(ハーレーかな?)にまたがったりしてるので、アメリカン・ニュー・シネマを意識したのかな・・・?
そのあとは、もう宮藤官九郎のめくるめく世界。何が何だか、でも話の展開でところどころ納得。
そして、弥次さん喜多さん、恋仲です。「え?」と思ったので、『東海道中膝栗毛』のWikiを閲覧。
喜多さんの人物欄に「弥次郎兵衛の居候。元々は弥次郎兵衛の馴染みの陰間であったが、弥次郎兵衛とともに江戸に駆け落ちしてくる。」(陰間は男娼のことです。中村七之助さんが喜多さんやるのは至極まっとう。江戸時代、役の付かない女形の歌舞伎役者が陰間をやってた。)しかし、原作では、道中記にはこういった内容は書かれず、あとで前日譚として付け加えられたそうなので、この映画はオリジナルな表現のようです。
江戸時代の小説って、こんなんなんだよね。恋仲に男女の区別があるなんて変じゃないの?ぐらいの感覚。
長瀬智也は芸能界の表舞台からは引退したんですよね。43歳でアイドル卒業は、ひとつの見識だなと思います。ただジャニーズ事務所も同時に退所したとのことで、先行きがちょっと心配になりますね。宮藤官九郎の監督や脚本でのおバカキャラに長瀬が起用されたのは、彼の持ち味だったと思うので、それがもうみられないのかと思うと残念ですね。