アレックスの母、クリ スティアーネは、夫が西側へ亡命して以来、祖国・東ドイツに忠誠心を抱いている。建国40周年を祝う夜、クリスティアーネは、アレックスがデモ に参加している姿を見て心臓発作を起こし、昏睡に陥ってしまう。意識が戻らないまま、ベルリンの壁は崩壊、東西ドイツは統一される。8ヵ月後、奇跡的に目を覚ました母に再びショックを与えないため、アレックスはクリスティアーネの周囲を統一前の 状態に戻し、世の中が何も変わらないふりをしようとするが…。
思っていたよりも、実際に見てみて面白いと思いました。
東ドイツは、共産化する前の技術水準が共産化した国々の中で一番高かった筈ですので、この映画で描かれるように共産主義時代の製品を懐かしむような描写にリアリティがありますね。
有名なトラバンドという自動車もあったし、爆発するような代物でもテレビもあった。
母が余命幾ばくもないと宣告されたとき、アレックスは母に変わらぬ社会主義国の様子を見せようとする。これって天国の様子を語って見せるかのようだ。みんな平等で、失業もない国なんて確かに現実にはうまくいかないだろう。現実になるのは、政府のいうことを聞けない人間には矯正収容所が待っている全体主義独裁体制のこの世の地獄が関の山。
東ドイツがベルリンの壁崩壊後、西ドイツに吸収されていく手続きが語られます。東の通貨が2対1で西のマルクに交換された。2週間で銀行預金だけ・・・・。
そして人の幸せは、国の体制によるのではないという家族の愛情の話。
有名な映画にオマージュを捧げるつもりか、映画の有名なシーンに似せた場面が出てきます。