アマチュアのテニス選手ガイ・ヘインズは、浮気を繰り返す妻ミリアムと離婚したがっていた。そうすれば上院議員の娘であるアンと再婚できる。

 ある日、ガイは列車の中でブルーノという男性に出会う。ブルーノはガイがミリアムと別れたがっていることをなぜか知っており、彼の父親を殺してくれるなら自分がミリアムを殺そうと交換殺人を持ちかける。そうすればお互いに動機がないので、捕まる心配もないという訳だ。ガイはブルーノが冗談を言っていると思い、取り合わなかった。

 しかし、驚いたことにブルーノは勝手にミリアムを殺してしまう。

 

 1951年のスリラー映画。多分、ヒッチコックの作品のなかでも5本の指にはいるでしょう。

 

 こんな変で、どことなく面白い男が、「殺人しろ」と付きまとってきたらと思うと、怖すぎる。

 

 ミリアムを殺した街の、遊園地の島に証拠になるガイのライターを置きに行くブルーノとそれを阻もうとするガイ。テニスの試合を3セットで終わらせるつもりが、相手の奮闘で4セットにもつれ込んでしまう。

 

 一方、ブルーノの方は、大事なライターを排水溝のグレーチングの隙間に落としてしまう。ライターを拾う手をアップにして、引っ張ること。このあたり、コミカルです。

 

 最後、メリーゴーランドが止まらなくなってしまい、ガイとブルーノが乱闘になるが、ガイがメリーゴーランドの馬から投げ出された子供を助けることで、ガイが善人であることが観客にわかる。メリーゴーランドの回る台車の下を這っていくおじいさんにまでハラハラ。サスペンスのてんこ盛りです。

 

 ヒッチコックの映画って、役者の名演技とかとくにないよなと思います。シーンをつないでいくモンタージュのやり方や、カメラの配置や画像の映し方で怖がらせる。

 

 やっぱり、すごいよねと思います。