過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。
“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪く、Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。ギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。
パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、ギジョンはギテクをパク家の運転手に…“半地下住宅”で暮らすキム一家全員が、“高台の豪邸”で暮らすパク一家の雇人になっていく・・・。
そして、パク一家がキャンプに出掛けた、雨の夜・・・。
韓国の貧富の差のすさまじさや、金持ちにぶら下がる貧困者たち、詐欺が横行する社会の在り方、韓国の暗部をコメディー・スリラーアクションにして見せた韓国映画の金字塔。
半地下住宅なんて、日本ではあまり聞いたことがありませんよね。ただ、ヨーロッパなどの邸宅では、最下層を使用人の居住部分にしているらしく、“半地下住宅”というだけで意味が通じるようです。
この映画すごく面白いです。キム一家全員が、パク家の雇人になって、主人一家が留守をしている間に、豪邸に上がり込んで飲んで遊んで楽しくすごしていると、辞めさせられた元の家政婦が訪ねてくる。彼女は、「キッチンの地下の食糧倉庫に忘れ物をしたので、取りに来た。中に入れてください。」という。
半地下の下には、地下室がある。下には、下があるのだ。
そして、そこへ、キャンプを途中で取りやめたパク一家が帰ってくる。パク家族に見つからないように、逃げ帰るチュンスクを除くキム家の3人。半地下住宅は、豪雨のために浸水していた。
翌朝、悲惨な思いで、避難所で過ごすキム家の3人のところに、パク家の主人から、台無しになったキャンプの代わりに息子の誕生パーティをやるから手伝いに来いと電話がかかってくる。
最後は、悲惨と言うか・・・、阿鼻叫喚なのだが、そこは、強かな韓国人。
彼らの、良い面は、家族の絆だなと思いました。金がないくらいで、家族を見捨てたりしないところは、なんか見ていて暖かい気持ちになれるものがあると思いました。