1973年ベトナム戦争の最中、アメリカ軍兵士グリフィン・カーレンリースが突然、同じ分隊の兵士たちに自動小銃を乱射して死傷させる。その場に居合わせたマックス・ロボは彼の足を狙撃し取り押さえる。そのとき、グリフィンは「バナナ・フィッシュ」という謎の言葉をつぶやく。 

 ダウンタウンのストリート・キッズのボスとして君臨するアッシュは、コルシカ・マフィアのボス ゴルツィネの指示で銃撃された男から、「バナナ・フィッシュ」という言葉と「カルフォルニアの住所」を伝えられるとともに、小さなロケットペンダントを受け取る。
 「バナナ・フィッシュ」は廃人となった兄のグリフィンがしばしば口にしている言葉であり、アッシュは調査を開始する。ゴルツィネは「バナナ・フィッシュ」により中米でクーデターを発生させ、南米からのヘロインルートを手に入れようと米国の政治家や軍人とともにプロジェクトを進めており、アッシュの調査を阻止しようとする。
 日本人の大学生・英二は取材を通じてアッシュと知り合う。アッシュの周囲で起こる血生臭い事件に遭遇した英二は、アメリカに残り、アッシュと「バナナ・フィッシュ」を巡る陰謀に巻き込まれていく。(Wikiあらすじより)

 

 

 攻殻機動隊の新作映画を見に行って、意味がわからなくてNetFlix版をみたんですが、続編のシーズン2見ないと意味わからないのがわかったので、ついでで懐かしい作品のアニメ版を見ました。漫画は読んだけど、たしか通してアニメ版を見たことはなかったと思う。

 

 長い。12話で終わるのかなと思っていたら2倍の24話まで続いた。かなり原作に忠実だったんでしょうね。

 

 でも、年取って俯瞰でみることができるようになったので、この話の意味が痛いほどわかるようになりました。

 

 この話の中では、SEXはほぼすべて強姦と買春という形になっている。アッシュは、7歳の生まれ故郷時代からつねに大人の男に強姦され続けている。

 

 ”SEXは全て強姦である”というのは、結婚を否定するような急進的なFEMINISTのテーゼにあるんですよね。女は常に強姦されるのかということですけど、なんていうか病的な繊細さを感じる考え方ですよね。

 

 主人公のアッシュは、VULNERABLE(魅力的で攻撃を受けやすい)な女性の象徴で、IQ200と超人的な身体能力の男にしたのは戦う力を持たせ相手に復讐するため・・・。

 

 たしか「吉祥天女」も、こういうテーマだったので、吉田さんの物語を作り出す原動力が、この感じ方なんでしょうね。

 

 でも、ここにBL作品が隆盛を極めているヒントがあるよなと思います。英二とアッシュのように純粋な互いに相手の為なら命を捨てるようなSEX抜きの無償の愛情をここでは書いていて読者の涙をしぼるんですが、吉田さんほど繊細でない作家だと、男をそれほど憎んでないので、男同士のSEXに置き換えるんでしょうね。

 

 女は無力なつまらない存在だという考え方が、BL作家の無意識にある。

 

 こんな傑作、描いてるのに・・・ねぇ。

 

 監督を女性にしたのは慧眼。男だと、深いところでこの物語の本質を理解できないでしょうね。