1997年の晩秋、経済成長を遂げ、経済先進国に仲間入りをしたと思われた韓国に、国家破産の危機が静かに迫りつつあった。
危険な兆候を察知した韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・シヒョン(キム・ヘス)は、国家破産まで残された時間はわずか7日間と予測する。彼女は危機回避に奔走するが、政府の対応は遅れ、一刻も早く危機を公表しなければ国民は大打撃を受ける、という主張も退けられてしまう。
また、同じ頃、ノン・バンクを辞めたユン・ジョンハク(ユ・アイン)は、危機の兆候を独自につかんで、国家的な危機は自分にとってのチャンスと見て、ノン・バンク時代の顧客を集め、ギャンブルまがいの投資に乗り出すのだった。
一方、危機が迫っていることなど何も知らない食器工場経営者のガプス(ホ・ジュノ)は、百貨店大手からの大量の注文を約束手形で引き受けてしまう。このことは、万が一、百貨店が倒産したときにはその代金を回収できず、材料業者に支払う代金のあてが無くなることを意味していた。
その後、危機が進展し混乱が続く中、韓国政府は国際通貨基金(IMF)に頼ろうとするのだが…。
オリジナルの韓国映画を初めて見たかも・・・。出来の良い映画だと思います。
これが、本当の状況だとはいえないでしょうけど、まあ、ドキュメンタリーのような物と考えた場合に、ケンチャナヨ(「気にしない」とか「大丈夫」という意味の韓国語)国家の面目躍如という気がしました。
IMF事態(韓国での1997年の破綻の呼び名)の引き金になったのが、ガンポ(韓宝)という会社の負債だったのですが、これが5兆ウォン。この貸し付けをハン・チーム長が「あなた方のロビー活動で、行った融資・・・。」という下りで、言葉遣いが変だと思いました。韓国では、ロビー活動が汚職と同義語になってるらしい。
金融監督をする当局がなにも監査をやってない。
企業経営を占い師に頼っている。
無茶苦茶です。
食器工場の社長さんがひっかかったのは、取り込み詐欺の有名な手口ですので、知っておくといいかと思います。
いかにも信用のありそうな会社(実は倒産目前の会社)から、大量の注文を市場価格より高い値段で買いたいといってくる。もちろん現金決済ではない。
こういうの大体、審査部門や財務部門の担当者は、わかってるので「止めろ」といいます。でも、営業は売り上げが欲しいので、「どうしてもやらせてくれ。」と言って、社長を動かす。大体社長も売り上げが欲しいんです。で、やる。焦げ付く。「やめろ、言うたやろ」と審査担当者に言われる。後の祭りですわ。
納品された商品は、市場価格より安い値段で売りさばかれ、多分その会社のどうしても必要な支払いにあててしまう。倒産するのにも金がいりますから。そんなころには、仕入れ業者に払えなくて、商品が仕入れられなくなってますので、面識のない会社に注文しにくるんです。
韓国は、約束手形を使ってるんですね。約束手形って、欧米にはないと聞いたことがあります。日本の植民地だったからね。とても便利なものです。手形をもってれば債権をすぐ確定できるし、銀行やノン・バンクにもっていって割り引いてもらうことができます。
社長さん、さっさと手形をノン・バンクに持ってって、現金化すればよかったのにね。映画の中のノン・バンクも全然審査してないみたいだったから、。
中国人もそうだなと思ったけど、審査とか監査とか管理とかという、概念がないみたいですね。彼らは。あっても名ばかりで、実質がない。
こういうところが、外見は日本そっくりだけど、日本と違うところなんです。それは、欧米の植民地だった南米諸国にも言えますね。擬制(まやかし)国家群なんです。アルゼンチンは、もうちょっとで先進国というところで、何度もデフォルトしてます。デフォルトした方が賢いということが、この映画見てわかりました。
韓国のGDPが、もうすぐ日本を追い抜くとか言ってますけど、借金で何かを買えば誰かの収入になって、GDPに加算されます。生活費さえ、借金に頼ってる韓国の家庭って、貧しい人たちが貧しすぎるということか・・・。無理にふくらました風船は、どこかで破裂します。
この1997年の通貨レートは、1ドル=800WONでした。今年5月、1ドル=1230WONになってます。これって、韓国が、貧しくなったということですよね。