22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだジョーダンは、学歴もコネも経験もなかったが、誰も思いつかない斬新な発想と巧みな話術で瞬く間になりあがっていく。26歳で証券会社を設立し、年収4900万ドルを稼ぐようになったジョーダンは、証券詐欺の容疑でFBIから付け狙われるようになる。最後は、逮捕され身内を売る司法取引の末に3年の収監刑を食らうが、出所後はニュージーランドのような英米系の田舎の国を講演して歩き、また金を稼ぐ。

 「ウォール街のウルフ」と呼ばれたジョーダンの送った、大金つかんで薬漬けセックス漬けのハチャメチャな人生を、「喜劇じゃないドタバタ映画」のようなスタイルで描いている。

 

 色んなサイトに出てるあらすじが映画を描写できてないので、自前で書くのに苦労しました。映画サイトのあらすじは、「最後に破滅と転落が待っていた。」だの「栄枯盛衰」だの、昔ながらの立身出世物語のパターンに無理やりはめ込んでて、おかしい。いまどきの金融詐欺系の犯罪者は、お騒がせセレブと変わらないじゃないですか。日本だって、ホリエモン見たらわかるでしょう。

 

 アメリカにもどこにも、もう社会をよくするのに貢献するようなまともな投資先はなくなったということでしょう。資本主義の成れの果てみたいな金融詐欺の蔓延。アメリカン・ドリームがこういう下らないゲームの勝者の物になり下がったのは、悲しい限りですわ。

 

 人として見ると、ジョーダンは友達や仲間を大事にするタイプ。最後は仲間を売る司法取引に応じるけれど、最初に部下にしたドニーのことなど最後までかばおうとしてます。人を恐れない、新しいことを恐れないというのは、社会でやっていくときの成功の前提ですね。

 

 ディカプリオの演技は、ガンバッタデ賞をあげたい。スポーツ選手のように体を動かしてます。ジョーダンはすごく活動的な人なので、上手く表現している。

 

 「喜劇じゃないドタバタ映画」と私が描いたスコセッシのこの映画における演出スタイルですけど、観客に呆れてほしかったのかなと思います。