あけましておめでとうございます。令和2年もどうぞよろしくお願いします。

 

クリスチャン・デュゲイ「シンデレラ」

 イタリア・ローマ。ピアニストを夢見る少女オーロラは、音楽家の父と裕福な生活を送っていた。しかし父の急死によりオーロラの生活は一変する。悲嘆に暮れるオーロラに追い打ちをかけるように継母と義姉の嫌がらせが始まる。それでも、いつか夢が叶うと信じ、希望を失うことはなかった。やがて、オーロラは20歳を迎える。ある日、クーパーと名乗る老婦人から仮面舞踏会の参加を勧められ、一人の青年と出会う…。
 仮面舞踏会で出会ったオーロラと裕福な青年セバスチャンは、互いに惹かれあい、ダンスを踊る。
セバスチャンは、オーロラに仮面を取るように頼んだが、時計が12時を回り、オーロラは、そのまま去って行ってしまった。
もう一度彼女に会いたいと願った彼は、残された靴を頼りに彼女を探すが手掛かりは得られず、婚約者との結婚を決めてしまう。
そんな中、クーパー夫人からオーロラに、父の追悼コンサートでピアノを演奏しないかと提案される。
オーロラは、父とセバスチャンへの想いを胸に秘め、コンサートに臨もうとした。しかし、その日はセバスチャンの結婚式当日だった…。

 

 イタリア国営放送RAI制作のテレビドラマ。前後編で3時間を超える大作ですが、飽きずに見ることができます。主役のヴァネッサ・ヘスラーの魅力によるところが大きいと思いました。相手役のヒュー・グラントにすこし似たフラヴィオ・パレンティの気の弱そうな男性もドラマにはまった感じでした。

 

 演技でうなったのは、継母役のナタリア・ヴォルナー。この継母は、これまでのシンデレラで最高と思いました。

 

シンデレラの現代解釈版ですけど、すごくよく出来てると思いました。

 

 少しだけ、無理があったのが、仮面舞踏会で仮面をはずさなかったオーロラがホテルの使用人の姿だと、彼女が自分の恋する舞踏会の女性だとセバスチャンが気づかないところ。この男、大丈夫なのかなとちょっと心配に・・・。

 

 このヴァージョンもガラスの靴で、足実験するシーンがありません。ちょっと残念。

 

 現代版で、足実験も見せてくれるシンデレラをいつか見たいと思います。

 

シンデレラって好きな話だよなと思ったので、ついでに傑作と評判のディズニー版「シンデレラ」も見てみました。

 

ケネス・ブラナー「シンデレラ」

 素敵なお屋敷に住む愛情あふれる夫婦に、「エラ」という女の子が産まれ、親の愛情をたっぷり受けながら、美しく、優しく、聡明な女性に成長した。
 そんなある日、エラの母親が病気に倒れてしまい、その後亡くなってしまった。
 のちに父親は、再婚を決意した。その相手には、元夫との間に生まれた2人の娘たちがいた。
 そののちエラの父親も、出張先の事故により帰らぬ人となった。さて、そののち継母と義姉たちのエラに対する意地悪が始まった。

 

あらすじ書く必要もないかなと思いますので、ここまでにします。

 

このシンデレラは、リリー・ジェームズ主演。あまり、魅力を感じなかった。

 

ディズニー映画なのでお金は有り余ってて、CGでカボチャの馬車やねずみを馬にするところなど凄い。ディズニー映画のCGってどこか過剰な力の入れ方が目立つ。

 

でも、感動するところはそこじゃないみたい。この映画の見せ場は、王宮の舞踏会に遅れて登場したシンデレラに、波が引くように人々が道を開け、シンデレラと王子がファースト・ダンスを踊るところ。やはり魔法の一夜。深夜12時までの期間限定の夢の一夜なんだ。

 

 ところが、シンデレラは王子との夢の一夜でダンスしても、とても謙虚で自らガラスの靴の持ち主だと名乗り出る気もない。ねずみや周囲の助けでなんとか、ガラスの靴の足実験が実現する。王子と再会しても、継母と義姉を「許すわ」と一言。

 

 ケイト・ブランシェットの継母じゃなくても、シンデレラのいい子ちゃんぶりにに嫉妬するかも・・・。言い換えれば、シンデレラは、働き者なのを除けば、お姫様なんです。これは、落窪物語(王朝文学のシンデレラ物語)とも共通してます。

 

 これは、本当のおとぎ話ですね。お姫様のごとき振る舞いをしたものが王子と結婚できるという夢。