映画配給会社の日本支社を退職した八木氏が、退職金をはたいて個人的に撮った、2015年公開のドキュメンタリー映画。アカデミー賞を取った『ザ・コーヴ』への反論映画になっている。
和歌山県太地町で、八木氏がシー・シェパード、グリーン・ピースなどさまざまな反捕鯨団体の代表、『ザ・コーヴ』の主演者、監督、太地町の人々、環境学者、IWCの元・現日本代表にインタビューしていくが、謎をおいかけてたどりついたのは・・・。
もうこの映画で今年のブログも最後かという、押し詰まった年の瀬。皆様、お元気でお過ごしでしょうか・・・。
この映画ですが、素人っぽさ満載です。初監督・初制作の映画で当たり前かという感じですが、情報を詰め込み過ぎた感じが少しします。ただ、最後の結論部分を私も知らなかったので、環境保護だの動物愛護だのの欺瞞性が、よくえぐられた作品になったようです。
ミンククジラのような小型の鯨は数も多いし、イルカにいたっては、絶滅の心配はない。
アメリカって中国に負けず劣らず、プロパガンダを使って他国を陥れたりする悪い国だよなあと思いました。
そういうところを離れて、私も子供の頃、鯨を学校給食で食べた年代ですが、調理法が大和煮ばかりで鯨肉を美味しいと思わなかったなあ。八木氏は、給食に出た鯨の竜田揚げが好きらしい。この映画では、鯨肉「大好き」と言ってる人がたくさんいました。映画って、編集次第なんだよね。
科学的には、種を絶滅させない程度に捕鯨はやったほうがよいと思います。鯨は、陸上の人間と同じで、海の食物連鎖の最上位動物になるので、鯨を保護したりしたら、魚を食われてしまって、人間の食べる分がなくなるから。
あと、個人的に、強烈な反捕鯨者は、アングロサクソン系の国の人が多い。アングロサクソンみたいに海洋国家の人間のくせに一番好きな食べ物は牛肉(イギリス人にはBeefeaterという悪口がある)って言う、偏食で味音痴な連中は、他人が喰うものに口出すなと言いたいです。
彼らは、価値を提唱するのが巧みなのですけど、もはやこの時代、価値観を他人に押しつけるような時代ではないのです。正しいと思われていたイデオロギーは、全て失敗を見た。だとすると、車も高速鉄道も自前で作れない図体ばかり大きくて不器用な、熊みたいな人間の集まりです。白人どもに、恐縮する必要はない。この映画に出てくる太地町のみなさんの直感は正しい。
今年、シー・シェパードの代表だったポール・ワトソンが日本の捕鯨船への妨害活動から撤退すると発表しました。衛星から軍事位置情報を日本の捕鯨船が取得していてかなわないのと、日本でテロ等準備罪が成立したので日本に入国すると活動家が逮捕される危険があるせいだと発表しましたが、本当のところ、この映画がNetflixなどで世界配信されていて、寄付が集まりにくくなったからではないかと思います。
そういう意味でも、映画を作るだけでなく、広報宣伝活動にせいを出した八木氏は実に立派です。