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閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)
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「資本主義の終焉と歴史の危機」の作者の、近未来予想
共産主義の敗北のあとの資本主義の凱歌は、リーマンショックで終了のベルに変わったらしいです。
なんか、資本主義もフロンティアが開拓しつくされると自国で格差拡大して中産階級を貧困層に突き落とすことによって、資本が利益を確保するというエグい構図。それも限度があって、そこまでえげつないことをしない日本みたいな国では、金利がピクリとも上がらない。
セロ金利やマイナス金利は、資本家階級の安楽死だとケインズが書いていたと水野氏はいっています。革命で労働者階級に虐殺されるよりはましかな・・・。
金利は、消費を我慢する代わりに受けとる報酬、消費を我慢する必要なない理想社会が実現したことになるのだそうです。
だとしたら、理想社会のショボいこと。消費を我慢する必要がないのに、ほしいものが全て手に入っていると言えない人は、けっこう多いのではないか・・・。
閉じてゆく帝国の話ですけど、大日本帝国の戦争で敗けて、米帝の属国になり下がり、今だ独立しようという気概のない日本国民の一人として、どんよりする読後感でした。