1951年、数学者(アラン・チューリング)の家が空き巣に入られ、警察の取り調べを受けたチューリングは、戦争中にドイツの暗号解読のために働いていた頃を回顧する。

1927年、チューリングは、寄宿学校での友人クリストファー・モーコムに触発され、暗号の世界にのめりこんでいく。チューリングは同性ながらモーコムに恋心を抱くが、告白しようとした矢先にモーコムが結核で亡くなる。

イギリスがドイツに宣戦布告した1939年、チューリングはブレッチリー・パークを訪れ、海軍中佐デニストンの指揮の下、ヒュー・アレグザンダー、ジョン・ケアンクロス、ピーター・ヒルトン、キース・ファーマン、チャールズ・リチャーズとともに、ナチスの暗号機エニグマの解読に挑むチームを結成する。

同僚を見下すチューリングは協調性を欠き、ひとり暗号解読装置の設計に没頭する。デニストンが装置作成の資金拠出を拒否すると、チューリングはチャーチル首相に直訴の手紙を送る。チャーチルは拠出を許可した。責任者に任命されたチューリングは、実力の劣るファーマンとリチャーズを解任し、新聞に難解なクロスワードパズルを載せて後任を探す。合格したのは、ケンブリッジ大学を卒業したジョーン・クラークという女性だった。

 

 

 チューリング・テスト(相手との会話で、相手がコンピュータか人間かを識別するテスト)で有名なイギリスの数学者アラン・チューリングの伝記映画。この人第二次大戦中、イギリス諜報部MI-6に参加して、ナチスの暗号解読に携わっていたんですね。そのとき、開発した計算機械チューリング・マシンが、現在のコンピュータの元になった。

 

 この映画みて、私が気になるのは、イギリスと日本の戦時作戦統制のちがいですわ。

 

 エニグマの暗号が解けて、ナチスの次の攻撃目標がわかったとき、チューリングを始めとするイギリス人達は、暗号解読がナチスに知られるのを防ぐため、攻撃目標となった民間船や軍船を見捨てて犠牲にするんですね。

 

 イギリスが、20世紀のすべての戦争に生き残って、常に勝者の側にいたのは、これが出来るから・・・。日本人の多くは、イギリスがエニグマを解読できたから、イギリスが勝ったのだと思いたがるでしょうけど・・・。

 

 技術の差よりも、個々の戦闘には勝ったり、負けたりがあったとしても、総合力で上回って勝つ。部分は切り捨てねばならないこともある。そのためには、感情に流されず、合理的に作戦を組み立てねばならない。

 

 日本の大本営のように、ご英霊に申し訳ないとかいって、すでに戦死した人達にまで気を遣っていたのでは、生き残りのための合理的な作戦が支配的になることはない、と思いました。

 

 ホントに、日本人って戦争に向かない人達ですわ。

 

 映画としては、とても面白いです。イギリスの過去の悲惨なLGBT政策もわかります。

 

 やはり、一神教は怖ろしい。