父親の遺言がトラウマとなり、中身はどうであれ、ひたすら外見の美しい女性ばかりを追いかけていたハル。

 ある日、エレベーターに乗り合わせた大物カウンセラーから催眠術をかけられ、内面の美しい女性が美しい容姿で見えるようになった。そのすぐ後、ハルは街で見かけたローズマリーに一目ぼれするが、他人に見える彼女は体重100キロを超える巨体だった。

 

 2001年のアメリカ映画。こういう面白い脚本の映画がアメリカ映画の真骨頂だったと思うので、特に男性に見て頂きたいなと思います。

 

 これ、お気づきになる方もいると思うのですけど、よくあるお姫様の成長のおとぎ話の逆バージョンというか、男性版なんですね。子供の頃に、因果(魔女の呪いのようなもの)があって、お姫様は醜い野獣だったり、ヒキ蛙の嫁にならなくてはいけない運命なのだが、真実の何かの衝撃によって、相手の真の姿が現れる・・・。まあ、大体真の姿は素敵な王子様で、2人は愛し合ってメデタシ、メデタシ・・・。

 

 これの逆。ハルは、女性の外見ばかりに執着する嫌な男なんですが、死の間際に父から聞かされる遺言のせいであるとわかるので、観客はさほど主人公のハルを嫌いにならないんですね。そして、ローズマリー役のグィネス・パルトローの神秘的なまでの美しさ。

 

 おとぎ話というのは、現実の社会で自己実現できない側の性が主人公になって夢見るような話を描くものだったんですけど、こういう話が作られると言うことは、アメリカの女性の社会進出は本物なんですね。