デルス・ウザーラ (完全期間限定生産) [DVD]/ユーリー・サローミン,マキシム・ムンズク

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 ロシア人探検家(作者)のアルセーニエフは、当時ロシアにとって地図上の空白地帯だったシホテ・アリン地方の地図製作の命を政府から受け、探検隊を率いることとなった。先住民ゴリド族の猟師デルス・ウザーラが、ガイドとして彼らに同行することになる。シベリアの広大な風景を背景に、2人の交流を描く。

 しばしば、黒澤明監督の最盛期の最後の作品とされるソ連・日本合作映画。

 今まで観たことなかったんですけど、今回観て黒澤明の映画監督としての素晴らしさを再確認しました。

 ほぼオール・ロケですので、スタジオでセットを組むということも出来ないわけで、黒澤明としては、構図などは単純なんですね。ドキュメンタリー映画に近い感じです。それでも、シーンが話かけてくるようにように明解というか、わかりやすいというか、映画の手本を観るような気がしました。

 この映画の語り手であるアルセー二エフが語りたかったこと。それは、デルス・ウザーラという人間の素晴らしさ。アルセーにエフは、森の妖精のようなデルスに助けられ、導かれ、教えられて、シベリアのタイガを踏査する。そして当たり前のことをするかのようにそれを誇りもせず、感謝や謝礼を要求するでもないデルスに惚れ込んでいくアルセー二エフ。

 デルスの語る世界観もまた魅力的です。「太陽が一番偉い人。彼がいなくなれば世界がなくなる。」どうやって撮ったのか、太陽と月の両方が画面に映るシーンもあります。

 まだ観てない方のために、物語の後半は語らない方が良いでしょう。

 この撮影のときにソ連側に助監督を務めたワシリーエフさんという方が、2010年に来日して撮影の大変さを語ってますのでリンクを貼っておきます。

黒澤明と『デルス・ウザーラ』

 つまり、どこへ行っても黒澤明は黒澤明だったってことで・・・。「いくらかかるかを考えるな」とワシリーエフ氏は黒澤監督に言われたと・・・。

 
モスクワ国際映画祭金賞受賞・アカデミー賞外国映画賞受賞