自分のついた噓を真実だと思い込む人 (朝日新書)/片田珠美

¥821
Amazon.co.jp

 本当であるかのように嘘を語り、いつのまにか被害者面・・・・・。一見”はた迷惑”な彼らのしられざる心の闇に迫る。
 彼らに騙されないための防衛法


 タイトル買いしました。著者は、あまり記憶ない女性の精神科医の方です。

 実体験で、自分が通っていたスポーツ・ジムに「偽医者女史」がいて、ご本人も騙されていたらしく、個人的にはらわたが煮えくり返る思いをぶちまけてるところがあって、精神科医も人間なんだなと思いました。

 病的な「嘘つき」の人に対する実践的な対処法が、後半に示されてます。これは、役にたつと思いました。

 嘘つきの人に対しては、証拠をつきつけて難詰するのは、やめた方がいいと片田先生は、アドバイスしてます。「嘘つき」とののしったりするのは、快感は味わえるが、人間関係が絶たれてもかまわない相手だけにするべき。顔を会わさなければいけない相手は、のちのち面倒なことになる。

 基本は、質問する。
「私にわかるように説明してくれませんか?」
のような言い方で、嘘つきの人に喋らせ、敵失を誘い出す。
 そして、嘘つきに対する基本的な態度は、
「私はあなたの嘘を容認しません。見て見ぬふりなんかできないので」
だとおっしゃてます。自分を共犯者にしないためにも。

 これ言うほど簡単じゃないですよ。なにせ「人の話を素直に聞きなさい。」と言われて育ってるでしょ。日本人は。

 でも、この本読んでよかったなと思いました。

 イネイブラー(enabler)=はからずも嘘つきを援助してしまうような人のこと

 フレネミー(frenemy)=「友を装う敵」のこと。

などの用語は、TIL(今日学んだこと)でしたね。

 それから、随所に小保方さんのSTAP細胞騒動の話が、出てきます。片田先生は、初期のうち(記者会見以前)に小保方氏を「虚言症」ではないかと疑っていたとのこと。そういう発言をマスコミですると、イネイブラー的な(特に)男性から、バッシングされたとのこと。

 しかし、またぞろ小保方氏は、手記「あの日」を出版し、若山教授という人を主犯にし、自分は被害者の立場になろうとしているみたいですね。
 若山教授は、きちんと反論していただきたいです。

 でも、「あの日」を出した講談社こそ、小保方氏の最大のイネイブラー(enabler)だと思うよ。出版不況も厳しい世の中だし、大日本雄弁会も地に落ちた・・・。
 この本を発売日に本屋に買いに走る男性が、少なからずいたらしい。「あの日」で検索しただけで、そういうブログがすぐ出てきました。
 講談社は、それをちゃんと見越していた。何が売れるかよくわかってるってことですね。

 人生見た目と印象でしょうか。