バグダッドの盗賊 【淀川長治解説映像付き】 [DVD]/ダグラス・フェアバンクス,ジュラン・ジョンストン

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 バグダッドのカリフの娘の婿取りに、インド、ペルシャ、モンゴルのプリンスが求婚者となってやってくる。そこにバグダッドのけちな泥棒が、王宮に忍び込んで姫を垣間見、7つの海と島のプリンスに化けて、自分も求婚者になろうと王宮にやってくる。姫は、泥棒を相手に選ぶが、本当の身分がばれてしまい・・・。

 1924年のダグラス・フェアバンクス主演のアメリカの白黒・無声映画。デジタル・リマスター版が出ていますので、画面に見づらいところは皆無です。

 最初、前回見た1940年版と同じストーリーかなと思って、それを確かめるために見たのですけど、全然ちがう話でした。「かぐや姫」とかオペラの「トゥーランドット」みたいな話です。

 一言でいって、超大作だし名作だと思います。淀川長治氏が推薦するはずです。

 音楽は、ほぼ全編リムスキー・コルサコフのシェへラザード。これは文字通りというかふさわしいですね。

 無声映画って独特の大げさな所作がありますね。そういう物が、音と台詞のない時代には、見る人に理解させるために必要だったのがわかるし、ある種の様式にもなってると思います。単に大げさなだけではなく、その表情の中に、場面場面での登場人物の感情やストーリーが表現されているので、歌舞伎を見ているような感じがして、今回見て「とてもいいな」と思いました。

 特撮も結構すごいです。特に最後、魔法の絨毯にのって王宮から飛び立つと、絨毯の影が王宮の建物の壁に映るんです。そういう細部がちゃんと作ってあるんですよね。
 特撮以外でも、昔のアメリカ映画によくあった、ものすごく広い場所で登場人物が米粒のように動き回るシーン。これを劇場の大画面でみたらすごい豪華な体験だと感じると思います。

 ストーリーも時代劇的。1940年との違いが出てます。

無料でみられます(日本語字幕がないけど)。

 ビデオ屋さんで借りていただくと、淀川さんの名調子の解説映像が見られます。