三木聡『イン・ザ・プール』

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中堅メーカーの営業部・田口は、ある朝起きると勃起が続く状態に悩み、伊良部総合病院の泌尿器科に駆け込みます。
ジャーナル系のルポライター・涼美は生真面目で探究心が強く、確認行為の習慣化いわゆる「強迫神経症」に陥ります。
大型アウトレットモールの開発担当・大森は、妻と愛人を持つ仕事のできる男です。多忙な仕事で溜まったストレスは、プール通いで解消しました。
ところが最近調子がよくありません。ストレス解消のためのプール通いが、プールに入らないと禁断症状が出る「プール依存症」になっていました。

　松尾スズキが演じる伊良部総合病院の神経科医師伊良部一郎が、上の3人の神経症患者にすごくいいかげんな診療をするコメディです。笑えます。

　でも、正直こんなんでいいんじゃないのと、思います。神経科の病気って、精神科の病気（統合失調症、鬱病など）と違ってどこかのほほんとしてる。と私は思います。

　生きる死ぬのような深刻な場面に出くわしたら、症状なんかきっとどこかへ消えるよ。それぐらい、端から見ると間抜けでおかしい症状。なんかスノビッシュというか、症状が他人との違いに置きかえられてるような、「私は特別よ」「あなたと違うのよ」「俺は繊細なんだ」感を醸し出してる気がするんですよね。本人の思い込みは違うんだけど・・・。深刻でもなんでもないことを深刻だと思い込もうとするおかしさ。「何故って、私は、あなたと違って、繊細だから。」みたいな。

　オダギリジョーって、繊細な役をやらせると、抜群だなと思います。こんな変な役でも。