初恋のきた道 [DVD]/チャン・ツィイー,チョン・ハオ,スン・ホンレイ

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 教師の父の急死の知らせを受けたルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)が、その故郷である華北部の小さな山村、三合屯(サンヘチュン)へ帰郷する。老いた母は悲嘆にくれ、父のいない学校の校舎の前から動かない。遺体は町の病院に安置されたまま。母は遺体を担いで帰ると頑なに言い張るが、村は老人と子供ばかりで遺体の担ぎ手がいない。母はまた、棺にかける布も自分が織ると言い張った。そんな母の姿を見つめる中、ユーシェンはふと一枚の写真に目がとまった。結婚直後の若き日の父と母が並んだ写真。母は赤い服を着ている。
 ユーシェンは、幼いころから聞かされ、村の語り草ともなった、若き日の父と母の恋物語を回想する。


 邦題がよいですね。原題は、『我的父親母親(わたしのお父さんお母さん)』。

 こういうの感動する人は多いのだろうと思いますけど、私は無理でした。途中まで、ほのぼのとした気分で見てたんですけど、チャン・ツィイーが、餃子のお茶碗を持って、先生を、野原に追いかけて行くところが長く続いたので、飽きて来て、

「転んでお茶碗割るんだよね。」とか呟いたら、10秒後にその通りになりました。

 こういう単調な映画は、非凡な演出力が必要ですね。それと『紅いコーリャン』でも思ったんですが、ストーリーラインが単線なんですよね。複数のストーリーが交錯するみたいなことがない。なので上映時間が短いんです。

 ただ一人として、悪人も出てこず、不道徳なことを考える人もいない、純朴な村が舞台。原始共産主義よろしく、村人が総出で校舎を作り、村人の昼食を、村の女性が家で作ってくる。若い先生の昼ご飯を順番に村人の家で食べさせる。
 そして、お父さんの棺を担ぎに、町に出ていた元教え子たちが沢山帰ってくる。

 最後あたりまで来て、これって、中国共産党のプロパガンダが言い過ぎなら、国策映画とか教育映画といった位置づけの作品だなと思いました。

 日本人の感覚だと、学校は公費で建てるものでしょう?農村に学校も公費で建てられないのに、州政府の庁舎は、豪華絢爛とかって、中国のニュースを聞いたことありませんか?

 公権力にモラルがないので、経済発展しても、農村に新校舎を建てるのに教師が寄付金集めに走り回らなければならない中国の現状って、あまりにもおかしい。

 でも、この映画って、学校の建設と運営のための寄付金集めに、みんな協力しようという呼びかけに聞こえます。

 この映画見てると共産党は、自ら農村を開発する気はなさそうです。農村の貧困の解消と経済開発が、中進国の罠から抜け出す道でしょうにね。


 よいところは、チャン・ツィイーを発掘したところ。彼女の初主演映画です。