和食の原点であるだしとしょうゆを題材に日本人と自然の関係を見つめたドキュメンタリー。
殺生を嫌う仏教の肉食禁止令下で発達しただしと、こうじカビによって作られるしょうゆを通して日本文化の神髄に迫っていく。
およそ1,000年にわたり、苦心してうまみを追い求めてきた先人の知恵に感服する。
久しぶりに名古屋駅西のシネマスコーレに行って見てきました。軽く10年ぶり以上のご無沙汰です。もしかすると20年近いのかもしれないです。入口の様子も「ああ、あった、あった。」と思うほどで昔と変わっていませんでした。こういう映画館が健在なのは、嬉しいです。
いい映画でした。科学教養ドキュメンタリー。もともとNHKスペシャルだったのをフランスに持って行って映画として再編集したものだそうです。映画としてちょうどいい長さで飽きずに見られます。
「だし」は、昆布からグルタミン酸、鰹節からイノシン酸、シイタケからグアニル酸。
「しょうゆ」「みりん」「さけ」は、麹菌(アスペルギルス・オリゼ)。
これらを人間がいかにうまく自然から取り出し、変形させ、自分たちの食に利用していったかが実によくわかるように物語られています。
そしてたずさわる人びとは、老若男女。特に北海道で、昆布の拾い漁に携わる女性や、今も山に入ってシイタケをとる女性は、ともに90歳。長寿で健康的な食事のおかげだと主張してることになります。
現場現場の人の叡智。日本はこういう国だなあと感心しました。
シネマスコーレで販売された映画に出てくる澤井醤油本店のお醤油。記念に買ってみました。
さっそくたまごかけごはんに使ってみましたが、実にまろやか。塩からさを感じない。
ただ200mlで810円ですから、私が普段使っている醤油の5倍ぐらいの値段です。
だしを作るにも、こんぶと鰹節をふんだんに使った映画に出てくるお鍋一杯のだしで1000円はするかも。
庶民が台所に常備できるのは味の素のビンぐらいで、たまの外食で本物のだしをあじわえるだけかな。でもたまの晴れの日には、こういう調味料をつかってみたいものですね。