ポンジ・スキームと自転車操業

〈ポンジ・スキーム〉
詐欺師チャールズ・ポンジ（Charles Ponzi）の名から由来する。出資金を集めた上で後からの出資金を先行した出資者に返還することで運用しているように見せるため最後には破綻する。一般に日本語では「出資金詐欺」と呼ばれる投資詐欺の一形態を指す。

〈自転車操業〉
自転車操業（じてんしゃそうぎょう）とは売上金の全部または多くの部分をそのまま仕入れ金に当てて辛うじて操業を続けること、またはその状態を指す経済用語のひとつ。日本ではバブル崩壊以降に借金の返済と返済のための借金を連続して行う会社経営、もしくは個人的な資金繰りを指して自転車操業と解釈する意見がある。
（Wikiより）

　自転車操業には、現在の（現金）売り上げで過去の原価や経費をやっと払うといった状態も含まれると思います。上の２つは、外か内かという違いがあるんですけど、本質的な所が同じなんですよね。

　何かと言えば、最初の元入金（資本金）、出資金をすっかり失ってしまっているところ。バランス・シートを作ってみたら必ず債務超過に陥っている筈なのです。

　中国人オーナーが経営するうちの会社の状態が下の自転車操業そのものなんです。

　最近、ポール・クルーグマンが中国経済の現状を指して「ポンジ・スキーム」だと指摘したと報道されました。

　それを読んで、要するに個人がやることと、その個人が形成する集団である国家がやることって似てくるんだなあという感慨にひとしきり耽りました。

　どちらも身分不相応にぜいたくで見栄っ張りで、ある金はすべて味噌だか糞だかわからないものに一緒くたに使いこんでしまって、資本を蓄積すると言う事が全く出来ないんですよね。

　パクリで儲かりさえすればいいという姿勢だし。事業を育てようという発想はどこにもないし。

　ちょっと前にブログにも書いた山本七平『日本人とは何か』に、日本は何故だか明治維新も出来非白人国で唯一近代化に成功し、戦後も復活して経済発展し先進国になれた。他の非ヨーロッパ国が近代化をすすめて外国から資本と技術を入れて最初は調子が良いように見えたが、のちにほとんどが累積債務国に転落した。その違いはなんだったのか？ということを、山本が数々外国の講演会にひっぱりだされて質問された答をまとめて加筆修正して書いたのが『日本人とは何か』だったのです。

　稼ぐ以上に使ってたら、返せる以上の借金をしたら、いつかはゆきづまる。個人も国家も同じ。ただ、それだけ。

　私はすでに自分のいる会社の事を諦めてるので、自転車操業ってどこまで続けられる物なんだろうという興味で、潰れるまではここで働こうと思って、日々を過ごしてます。中国の崩壊と軌を一にするのだろうか。