ショーシャンクの空に [DVD]/ワーナー・ホーム・ビデオ

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 1947年、銀行員として成功していたアンディ・デュフレーンは、妻とその愛人を射殺した罪に問われる。アンディは裁判で容疑を否認するが、有罪とされ終身刑となる。
 ショーシャンク刑務所に投獄されたアンディは、刑務所が持つ異質な雰囲気に初めは戸惑い孤立するが、決して希望を捨てず、明日への自由を信じ続ける。
 そんな中「調達屋」と呼ばれ服役囚たちから慕われていた囚人レッドと出会い、2人や他の囚人たちとの交流が始まる。


 1994年のアメリカ映画。その年にアカデミー賞を取った「フォレスト・ガンプ一期一会」より個人的には良い映画だと思います。日本のキネ旬ベスト10は、さすがというか外国映画の1位にこれを選んでいますね。

 欧米には、脱獄映画というジャンルが存在するんですよね。前に見たフランス映画の「穴」も良かったですが、傑作が作りやすいテーマなのかも知れません。

 この映画の主役は、調達屋の黒人受刑者レッドで、モーガン・フリーマンが素晴らしい存在感と演技を見せています。彼が見た刑務所の中での親友アンディを彼が語る話になっています。

 人に希望を与えられる真に強い精神力のあり方のようなものをアンディに体現させているところとその影響を受けたレッドの変化がテーマかなと思います。

 アンディは、銀行家としては有能なのですが、妻への愛情表現が足らなくて彼女に愛想をつかされたことが、結果として彼女を死なせたと語る。それは、復讐などこえた境地ですね。

 映画のほぼ最後で、レッドが受刑者の仮釈放を決める係官の前で語るセリフは素晴らしくて、刑罰も更生という事が服役囚のどのようなあり方をさすのかというのも多分に政治的なものである事。レッドが犯した罪についての悔恨を語る様。それらを聞くと脚本とフリーマンの演技が如何に素晴らしいかと思います。

 この映画を見て、終身刑と死刑のどちらがましな刑罰なのか簡単に決められるものではないと痛感しました。日本は死刑を残していいのではないか。死刑や終身刑にしなければならないような犯罪者を生みださない社会を目指すのもありかもしれないと思いました。

 ここまで深い所を伝えられる映画は傑作の名に値すると思います。