$月夜のブログ

 正月休みを利用して、大阪に文楽見物に行ってきました。

 国立文楽劇場の新春公演「夜の部」、3日の昼の部は、チケット発売の初日でも取れませんでした。なので夜の部。

 良かったのは、『本朝廿四孝』八重垣姫のやつですね。

 私、これまで歌舞伎でも『本朝廿四孝』を見た事がなかったんですけど、もったいなかったと後悔。

 偶然といえば偶然なのですけど、昔御伽草子にある「廿四孝」を読んだことがあって、これが中国の喫人文化を反映したとてもグロテスクな話なんですよ。例えば、貧困で飢えに苦しむ孝行息子が自分の太もも肉を切って親に与えようとするとか・・・。

 どうもそれで、無意識に避けてたのかもしれません。

 本朝がつくと「日本の」という意味になるのですけど、今回見た段に親孝行の話はなんか関係なかったようでした。どっちかというと八重垣姫の妄執ぶりがすごい。この女性の型は、初めて見る型なんですが、深窓の令嬢でありながら勝頼への半端ない執着を表現するところを、人間国宝の蓑助さんが魅せること・・・。

 八重垣姫の設定は14,5歳ということなので、ちょうどロミオとジュリエットのジュリエットのような感じなんですよね。

 6代目歌右衛門が生きてたら、歌右衛門の八重垣姫、歌舞伎の方で見てみたかったよなあ。

 夜、ホテルに帰って来てテレビをつけたら、国立文楽劇場で吉田住太夫さんの脳梗塞からの復帰を満員の観客が迎えたというローカル・ニュースをやってました。大阪ってこういうのがニュースになるんだよねえ。

 知ってる?橋本市長。