
やっとインターネット環境回復しました。久々のブログです。
9月30日に愛知県立劇場大ホールで上演されたショイクスピアの『トロイラスとクレシダ』。蜷川幸雄の舞台は3回目ぐらいかな。オール・メール・シリーズということで歌舞伎のように出演者が男だけでした。
これを観に行くことにしたのは、男だけの舞台で私が腐女子だから・・・ではなく、昔懐かしい大学のシェイクスピア購読で7,8作のショイクスピア作品を読んだ中で、一番面白かったのがこの『トロイラスとクレシダ』と言う作品だったんですよね。
でも、シェイクスピア作品の中では、無名作品の1,2を争う様な奴で、シェイクスピアの死後、1970年代まで再演された事がなかったと大学で習った記憶があります。
内容は、ホメロスのイリアッドを背景にして、パリスの弟のトロイラスとトロイの神官の娘のクレシダの恋愛模様を主筋にして、かなり意地悪な作者の視点でイリアッドに登場する、アイアース、アキレウス、ヘクトールなどの英雄を馬鹿にするという喜劇というか英雄パロディというかという話だと記憶してました。大学の時に頼りにした翻訳は、小田嶋雄志先生。
ところが、今回舞台のパンフレットを読んだら、この作品は一応「悲劇」に分類されているとのこと。むむ・・むむ。
悲劇と言う事で、役者たちが終始絶叫調でセリフを言うので、セリフが聞き取れず、字幕が欲しかったです。クレシダ役を男がやったのは良かったかもしれないと思いました。ただでさへ線の細い日本人のしかも女がクレシダをやったら弱すぎる。彼女は誠実か不実かは意見の分かれるところでしょうが、ある種思い通りにならない女という雰囲気がよく出てました。
芝居は、戯曲の途中のヘクトルが殺されるところで終わりにしてより悲劇らしい演出にしていました。
でも、これ私が昔読んだ『トロイラスとクレシダ』とはずい分遠いよなあ。