月夜のブログ-ウソから始まる恋と仕事の成功術


 ウソという概念が存在しないまま発達した社会のお話。レクチャー映画社で脚本家として働いていた冴えない男マーク(リッキー・ジャーヴェイス)。彼は紹介された美女アンナ(ジェニファー・ガーナー)とデートするが「貴方と過ごすのは楽しいけど、貴方の遺伝子は欲しくないの」とキッパリ交際を断られてしまう。更に仕事もクビになり家賃が払えなくなった彼は、ふと思いついた "本当でないこと" を言うことで危機を脱し、ウソをつくことを覚えてしまい・・・

 この映画、amazonや楽天のアフィリエイトを貼りつけられないんです。何故かと言うと劇場公開はおろか、セルDVDさえないんです。レンタルDVDのみ。

 それぐらいこういうアメリカのコメディ映画って、日本では受けないと思われてるらしいです。

 ウソがないパラレル・ワールドを想定するので、映画の前半はとても変。「そんな事言われて怒らないか?普通」と言う場面で誰も怒らないので、登場人物の反応を不自然に感じるんだと思います。

 途中で、様相が一変。「ああ、これが言いたかったのか。」という場面に出くわす。

 つまり死の恐怖にかられる人を慰めるために「God」という"嘘"を作りだしたんだと・・・。、日本人はこの映画のテーマに気付かない人かなりいると思います。

 これ、アメリカの中西部のBible Belt と呼ばれるような場所で最初からこの事を前面に出して宣伝でもしたら映画館の前にデモ隊が押し寄せるような危険なテーマですよ。

 アメリカは、キリスト教原理主義者っていう幼稚で怖い人たちがたくさんいるんです。「神」が人間の作りだした嘘だなんて言ったら・・・・。


 死んだら永遠に豪邸に住めて仲の良い友人と暮らせる。悪い事をしたら、そこには行けない。モーゼの十戒をおちょくって、ピザの箱に10個の死んだ後のルールを書きとめる。そう「the man in the sky(空の人)」が言ったと。

 その話がみんなに受けて、全ての人々がその「空の人」を信じるようになったら、今度は人々が自分の本心を話さなくなる。

 実に人間って不思議なものですね。

 事実と嘘の間にこそ、人間の生きる真実の醍醐味があるのだと・・・言いたいのかも知れません。