本が好き、悪口言うのはもっと好き (文春文庫)/高島 俊男

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 エッセイ集なので、あらすじ書きません。

 高島先生は、中国文学者。大学を辞めて、地方で読書三昧の日々を過ごしつつ、論文、随筆を雑誌に発表。本書は、一九九五年の講談社エッセイ賞を受賞。

 英語のessayは、随筆と訳される事が多いですですけれども、日本でよくあるエッセイ本は気ままに思った事を書くものと言う印象ですが、essayになるとある程度自分の考えをまとめて意見を書くとと言うもの、いわゆる論文に近くなるようです。

 そういう点で、この高島先生のこの本は本当のエッセイ集。またタイトルがちょっと行儀の悪い女の人が付けたようなので楽しげです。

 「『支那』はわるいことばだろうか」にあるように、該博な知識をもって、自分の意見を主張されていてとても小気味よいです。

 朝日新聞の悪口も出てくるし・・・。

 いろいろ新聞雑誌に出てくる漢字や言葉の間違いの指摘とか。

 それに、漢字を日本が古代に輸入しなければ・・・、日本人は独自の文字を作り出していただろうとか。こういう意見は初めて聞いたなあと思いました。

 面白くて読む価値のあるエッセイ集です。