ルイ・マル『プリティ・ベビー』

プリティ・ベビー [DVD]/ブルック・シールズ,スーザン・サランドン,キース・キャラダイン

￥2,625
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　1917年のニューオリンズ。ここには大きな赤線地区があり、なかでも、マダム・ネル(フランセス・フェイ)が経営する女郎屋は金持ばかりが集まる老舗である。黒人のピアニスト『教授』(アントニオ・ファーガス)がピアノを弾くと開店だ。
　この店には今年12歳のバイオレット(ブルック・シールズ)という幼い娼婦がいた。バイオレットの母はハティ(スーザン・サランドン)という淫売で、淫売の子は淫売になるということを当り前のことと考えていた。こうした環境で育ったバイオレットは、すでに男と女の営みのすべてを知っていた。
　ある日、この家にベロック(キース・キャラダイン)という若い写真家の男がこの界隈の女たちの写真を撮りにやってくる。ベロックはハティをはじめ店の女たちとなじみを深め、よく顔を出すようになるが決して店の女には手を出さなかった。これまで、そういう男を知らなかったバイオレットは、いつしかベロックに特別な感情を抱くようになっていった。

　ブルック・シールズの出世作として有名な映画。名作とまでは言えないにしてもルイ・マルの演出は見事で飽きるようなところはありません。

　タイトルがテーマになっているというか。１２歳で男と女の営みを全て知っていても「子供」は「子供」なんですね。
　
　ヴァイオレットの望みは優しく保護されたいということ。でも母親はお客と結婚して去って行くし、べロックは、怒るし怒鳴るしたまに殴るし、周りの売春婦に対する見栄もあるし。

　最後に母親のハティが迎えに来ると結婚したべロックより母との結びつきが大事になってしまう。甘えることを十分にしてこなかった子供には当然なのかもしれません。

　この映画いまはもう作れない筈です。児童ポルノの規定に抵触するからです。だから貴重だというのもなんですが・・・。

　そして日本では大正年間にあたる年代に設定されたこの映画は日本の赤線を舞台にした映画と雰囲気がそっくり。

　こういうところに教育も受けずに少女が生活しているなんていうのは絶対にまずいと思わせてくれると言う意味で教育的な映画なのかもしれません。

　のちにプリンストンを首席で卒業したブルック・シールズは頭の良さを見せてたっしゃな演技をしています。当時１２歳の筈ですが全く子供の体つき。こういうのを見て喜ぶ男性は××ですが、べロックを初め少女の魅力に参る男性は多いんでしょうね。