マリア・カラスの真実 [DVD]/マリア・カラス,トゥリオ・セラフィン,ジョヴァンニ・バッティスタ・メネギーニ

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 1923年12月2日、ニューヨークでギリシャ系移民の子として生まれたマリア・カラスは、幼い頃、母に歌の才能を見出され、ギリシャへ移住、アテネ音楽院に入学する。17歳の時、スッペのオペレッタ《ボッカチオ》でプロ・デビューを果たし、オペラ歌手としての人生をスタート。その卓越した歌唱力と演技力、そして40キロに及ぶダイエットで美貌をも手に入れ、美と才能を兼ね備えたスター歌手として華々しい道を歩む。数々の恋も話題を呼び、スキャンダルが絶えないカラスであったが、オナシスとの恋が終わった晩年は孤独な日々を送った。1977年9月16日、パリにて没する。享年53。

 20世紀最高の歌姫と言われたマリア・カラスのドキュメンタリー・フィルム。

下に貼りつけたのは、マリア・カラスの最晩年のツアーの歌唱です。この「私のお父さん」は短い曲ですので、興味のある方はyou tube のサイトに行って他のいろいろなソプラノ歌手の歌唱と聴き比べてみて下さい。

 他のオペラ歌手がオペラのテクニックを見せているのに対して、この晩年の声の張りも衰えたカラスの歌は若い娘の恋にかけた激情を表現している。

 最初この動画を見たときは少々驚きました。こんな風に歌うなんて音楽の先生は誰も教えてないと思う。全くカラスだけの芸術であり、表現だったんだと思う。活躍したのは10数年位なのに半世紀以上経っていまだに忘れられない感動を聞く人に与えた。

 この映画のカラスの描写は少々残酷。ひどいナレーションが流れてます。

 教える事の出来ない世界を表現したカラスは、歌えなくなった晩年「若い人に教えたい。でも誰も習いに来ない。私は無用の存在よ。」と言っていたそうです。

 確かに習って歌えるようにはならないですよね。物まねになっても駄目ですし。

 天才は孤独なものかもしれません。




私の愛しいお父さま
私 あの方が好き とっても素敵な人なのよ
だからポルタ・ロッサへ指輪を買いに行きたいの
ええ そう あそこへ行きたいの
そして もしもこの愛が儚いものなら
ヴェッキオ橋に行って 代わりにアルノ河へ身を投げます!
私 切なくて 苦しくて
ああ 神さま いっそ死にたいくらいです!

お父さま お願い お父様 お願い…