パピヨン-製作30周年記念特別版- [DVD]/スティーブ・マックィーン,ダスティン・ホフマン,ロバート・デマン

¥4,179
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 仲間にはめられて殺人犯になった男は胸に蝶の刺青を入れていることから「パピヨン(蝶)」とあだ名されていた。 パピヨンは終身刑の判決を受けてしまう。
 この刑を受けた人間は、祖国フランスを追放される上に南米ギアナのデビルズ島で過酷な強制労働が科せられるのだった。 パピヨンは脱獄を決意。しかし、それには看守を買収した上、ボートや食料を入手するための多額の資金が必要だった。
 そこでパピヨンは同じ服役囚のドガという男に目を付ける。 ドガは国債偽造で逮捕された男で、今もその腕が噂される偽札作りの天才だった。 当初パピヨンはドガと取引することで逃亡費用を稼ごうとするが、やがて二人は奇妙な絆で結ばれてゆく・・・。


 昔、何回かテレビの洋画劇場で観ました。しかし、今回DVDを見てテレビ版が以下にカットが多かったか悠に4・50分は切られていたんでしょう。

 それぐらい見たことないシーンが一杯ありました。最初のフランスの港町での囚人たちが船に乗るシーンなんて見た覚えがないし、「ハンセン病患者の島」も出てこなかったし、パピヨンの夢のシーンとか・・・。

  スティーヴ・マックイーンが演技が上手いのにも驚きました。ダスティン・ホフマンとのかけあいのシーンで、一見どちらが上手いともいえないようなたっしゃな演技です。

 アンリ・シャリエールという男の実話に基づいた映画ですが、フランスと言う国についてこういう側面を知っておくのも大事ではないかと思います。キリスト教的世界の残酷さのようなもの。従順な市民になれない子供や大人がいかに動物のように懲らしめられ、殺されるか。という過去の上に人権思想だの、民主主義だのを勝ち取ってきた人たちの国だということを。

 内容的には、男の友情の話になってます。女がほとんど出て来ませんし、刑務所の中の話ですから、もっと制作年代が後であれば、ホモセクシュアルの描写も露骨だったかもしれないと思います。パピヨンとドガの関係も友情を超えているのかもしれない微妙さがあります。でも、昔の映画は上品で良かったなと思います。


 自分の望みをかなえる人間に必要な性格をパピヨンが体現していると思うのであげておきます。

 現実的である事。ドガが残して来た妻の減刑嘆願に期待していた時に「お前が妻ならいくら払う。」と聞くところ。

 楽天的である事。上のような甘い期待をもたない厳しさを心に持ちながらも決してあきらめないところ。


 しかし、名作ですわ。音楽も良いし・・・。