空気人形 [DVD]/ぺ・ドゥナ,ARATA,板尾創路

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 古びたアパートに住む中年男の秀雄が所持していた空気人形が、ある朝以来心を持つようになってしまった。やがて空気人形は街へ繰り出し、純一が働くレンタルビデオ屋でアルバイトをするようになる。

 空気人形って、ようするにダッチ・ワイフのことなんですが、ダッチ・ワイフの本物を見た事がないのでそれがどれぐらいの価値の人形なのかわからないのですけど、話の中ではさほど高級品ではないようです。

 ダッチ・ワイフの使い方も「なるほど、後で洗うのね。」なんて・・・、女性が知らなくてもいいことまで・・・、勉強になりました。

 是枝監督の良い点は、「キャスティング」。監督一人で決められ物ではないと思いますが、空気人形をやった、ぺ・ドゥナは、『誰も知らない』に出ていた柳楽 優弥に匹敵するはまり役だと思います。

 ただ、映画の後半なかばでかなりだれると言うか退屈になる場面があって、私はつい手に通販カタログをとってしまいました。この当たり、周防正行監督当たりの上手さを研究してほしいよなと思います。そうすれば、カンヌで監督賞あたりが狙えると思います。

 大人のためのおとぎ話という意味で成功していると思います。最後、純一の真似をする「のぞみ」が純一を「殺して」しまう場面が、とてもよく現代の残酷なおとぎ話の味を出してると思いました。

 オダギリ・ジョーの人形師のたたずまいも見事でした。