デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)/藻谷 浩介

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 初めて納得の行く、日本の不況を説明してくれる本に出会いました。日本はデフレではなく、給料をもらう人の減少でお金を使わなくなっているので物が売れずに在庫処分で値崩れを起こして、企業の収入が減るのでどんどんGDPが減って行っている。

 なんだ、それが一番大きい原因だったのね。バブルが弾けたせいでも、リーマンショックのせいでもないんだ。

 それに加えて、日本の富裕な高齢者がお金を使わない。80代の後半に死ぬ人の相続人はすでに高齢者になっているので相続してもお金が使われない。その間に株価などが下がって目減りはするけど。

 「生産性を上げる」ことや「経済成長」、「財政支出」「金融緩和」。これまでいろんな人が言ってきた解決策はピントはずれであると喝破。

 お年寄りにお金を使わせるような産業を作り出す事。付加価値を創出し、ブランドを作る事。引退して行く団塊世代の代わりにお金を使う女性労働者を活用する事。観光客誘致。富裕層の短期定住策。決して故国に仕送りするような低賃金労働者の移民を招く事ではないと。

 これって、一人ひとりが意識するとかなり違うかもしれません。お年寄りに是非読んでもらいたい本です。