日韓がタブーにする半島の歴史 (新潮新書)/室谷 克実

¥756
Amazon.co.jp

 このブログを読んでいただいている方には、私が韓国嫌いだと言う事が気付かれていると思うのですが、こういう本を紹介するのだから「そうです。」という宣言みたいなものですね。

 無知って怖ろしいですね。大体この本で主に紹介されている高麗の正史(朝鮮半島最古の)である「三国史記」っていうタイトルの書物の存在を知りませんでした。「三国遺事」なら知ってたけど。

 この室谷氏は、時事通信社のソウル特派員出身。大学出身の歴史学者が師匠の学説に逆らうことが出来ない縛りから自由な立場にいるので、井沢元彦氏と同じような感じで史書を素直に読んで歴史学者たちが隠してきた文献箇所を掘り起こしてこれまで流布していた学説をひっくり返しています。

 例えば、中国の唐代に書かれた「隋書」には、こんな文がある。これも、私みた事がありませんでした。

 新羅、百済皆以倭為大国、多珍物、並敬仰之、恒通使往来「新羅も百済も倭国(日本)を大国と見ている。優れた品々が多いためで、新羅も百済も倭国を敬仰し、常に使節が往来している。」

 日本は昔から物づくり国家だったということですね。また、朝鮮の古代国家群は日本に朝貢していたわけで、日本書紀に出てくる朝鮮人が日本に貢物を持ってくる様子と符合しているわけです。

 では、一体なぜ日本は朝鮮から様々な文明を教わったという説が、天皇陛下が宮中晩餐会の席上お言葉として述べられるまでに巷間流布しているのか。

 この室谷氏の言葉でいう「超夢想的朝鮮民族絶対主義史観」に基づいて嘘で嘘を塗り固めた偽史を書きまくった韓国歴史学者とマルクス主義史観で皇国史観を不必要なまでに否定する日本自虐史観歴史学者の共同作業だったわけです。

 面白いのは、「献女」という朝鮮の習慣に関する記述。新羅は、唐の皇帝に貢物として美女を贈っていたという記述がある。ところが中国の皇帝は美女を送り返している。中国人の身分の高い人はかなり立派だったらしい。最終的に皇帝の勅令で献女を禁止している。

 こういう恥ずかしい歴史は、すべてなかったことにして歴史書から外してしまう国なんです。お隣は。

 日本は文化遺産の倉庫のような国です。韓国はその日本に文化・文明を教えてやったといいながら、日本の「源氏物語」のような古典文学の傑作が存在していない。能のような気品あふれる古典芸能も存在していない。嘘の歴史で日本に文化を伝えたと騙っても、文化遺産の水準は捏造できません。だからずっと変だ変だと思っていたんですよね。中国のように一定の文化遺産があれば中国から学んだことがあるのを認めるにやぶさかではないのですけど。

 自分の直感が裏書きされるような本に会えて、嬉しかったです。