いつまでも経済がわからない日本人 「借金大国」というウソに騙されるな/三橋貴明

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 参議院選挙に落選してしまった三橋貴明氏の最新刊。
 
 参院選の比例選挙が非拘束式というのが痛かったのか、ネット選挙が解禁にならなかったせいなのか、はたまたネットの影響力ってこんなものという事なのか・・・。私も非拘束の意味を知らなかった(非拘束は比例区で名前で投票された票数順で政党名の票を候補者に配分する方法。)ので、この人などかなり名簿の上位で楽に当選するのかと思っていました。といって彼やその所属政党に入れた訳じゃないので、あまり関心を持って見ていたわけではないです。ただブログを読んで立候補することは知っていたというだけ・・・。


 ただ、氏がこの本で書いておられる事には一定の説得力を感じます。デフレの時にはインフレの時の政策の逆をやらなくてはならない。しかし、経済がわかっていない政治家がこれまでの習い性で財政再建みたいな事をやってしまうのでうまくいかないという氏の主張です。需要を作りだすためにはリチャード・クー氏が言っていたように「穴掘って埋める」ような公共事業が必要だという意見も主張。

 日本が過去50年間で経験した高度経済成長というのは、第2次大戦の焼け野原の何もないところに社会のインフラや家や家財道具も一から作って行ったので成し遂げられたということなんだなとこの本を読んでいて思いました。

一端物が揃ってしまうと需要を作りだすというのは自然には難しくなってしまうという事ですね。買い替え需要しかないとどうしても供給過剰になってしまう。

 氏の「文明フェーズ」を変えるという考えもこれまでの石化燃料依存の文明から電力文明へ変えて社会全体でスクラップ&ビルドをやって、疑似的な焼け野原を作りだすという考えのようです。

 環境問題とからめるならば、その電力文明というのは循環可能型社会を作り出せるのでしょうかね。


 しかし今は政界再編が先なんだろうな。民主党の党首は「財政再建」言ってますからね。