本田猪四郎『キングコング対ゴジラ』

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　南太平洋メラネシアに位置するソロモン諸島の一つ、ファロ島で原住民から「巨大なる魔神」と恐れられている伝説の巨猿キングコング。自社の提供するテレビ番組の視聴率不振に頭を痛めるパシフィック製薬宣伝部長の多胡は、この怪獣を日本に招聘する事を思いつき、早速テレビ局員の桜井と古江を探検隊に仕立て上げてファロ島に送り込む。
　一方、前作にて氷に埋められ行方不明となっていたゴジラが北極海で復活、原潜を沈め某国基地を蹂躙し宮城県松島に上陸する。キングコングは麻酔で眠らされ海上を筏で輸送されていたが、麻酔が切れて脱走、千葉東海岸に上陸した。
　本能に導かれるかのように中禅寺湖で初対決する両者だが、緒戦はゴジラの放射能火炎に分があった。しかし、自衛隊による「100万ボルト作戦」のために急ぎ築かれた首都圏防衛用の高圧線が闘いの行方を思わぬ方向へ導く。これにより電流を苦手とするゴジラの首都圏侵攻は食い止めたものの、ゴジラを追ってきたキングコングは高圧線に触れたことで、ゴジラへの強力な対抗手段である帯電体質を得たのだ。東京へ侵入し暴れるキングコングだが、ファロ島の音楽と麻酔を使うという桜井達の機転により眠らされ、自衛隊の手でゴジラのいる富士山麓へ空輸、投下される。ついに決戦の火蓋は切られ、2体の怪獣は激闘を再開する。

　『ゴジラの逆襲』から７年。ゴジラ映画３作目。カラーです。アメリカからキングコングの権利を買って怪獣対怪獣という怪獣もののパターンとなるフォーマットを初めてやった作品。

　音楽も伊福部昭に戻っていて、いかにも南の島の音楽という雰囲気で好きですが、ゴジラのテーマは出て来ません。

　そして、前２作との大きな違いは、コメディ・タッチになっていて核爆発の影響で生まれた怪獣というゴジラの深刻さが薄れて子供が観ても怖くないだろうなという感じになってきていることです。

　ここからは、「ウルトラマン」まですぐですね。

　若い時の高島兄弟のお父さんやボンド・ガールの浜美枝がキングコングの手に摑まえられる美女ぶりも見られます。