シャレード (1963) [DVD]/オードリー・ヘップバーン,スタンリー・ドーネン,ケイリー・グラント

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 スキー旅行先で、富豪の夫・チャールズとの離婚を決意したレジーナ・ランパート(オードリー・ヘプバーン)。旅行からパリの自宅に戻ると、家財道具一切が部屋から持ち出されており、夫の姿も見えない。そこへ、司法警察のグラン・ピエール警部が現れ、チャールズの死を告げる。
 警部によれば、チャールズは家財道具のすべてを競売にかけ、その落札代金25万ドルを持ってパリ脱出のために列車に乗ったのだという。しかしチャールズは、列車から誰かに突き落とされたのだった(オープニングのシーン)。警察署で、夫の遺品を受け取ったレジーナ。小さなバッグに手帳、櫛、万年筆、レジーナに宛てた、切手を貼った未投函の手紙などのほか、パスポートが4通もあった。
 何もない、電気も止められてしまった自宅で途方にくれるレジーナ。そこへ、スキー旅行先で知り合ったピーター・ジョシュア(ケーリー・グラント)が現れる。ピーターは彼女に「夫の事件は新聞で知った。何か協力できることはないか」と申し出る。
 チャールズの葬儀は寂しいもので、出席者はレジーナと、レジーナの親友でスキー旅行に同行したシルビー、そしてピエール警部だけであった。途中、ハゲた小柄な男(ギデオン)とやせた背の高い男(テックス)、そして、大柄で右手が義手の男(スコビー)が順次現れ、チャールズの死亡を確認する。
 レジーナはアメリカ大使館のバーソロミューに呼び出され、4通ものパスポートを所持したチャールズの素性を知らされる。本名は、ボス、そして証拠写真の、若い頃の夫・チャールズ(ボス)は、葬儀に現れた三人と一緒だった。一味は第二次世界大戦中、OSS(CIAの前身)で対ドイツ戦に従事していた。25万ドル相当の金塊の輸送任務にあったが、四人は金塊を盗まれたことにして密かに地中に埋め、終戦後、山分けすることにした。しかし間もなく戦況は悪化し、ドイツ軍の攻撃を受け、スコビーが右手に大怪我を負い、散り散りになってしまう。そんな中でチャールズが金塊をこっそり掘り返し、持ち去ったのだという。
 チャールズが持ち去った25万ドルのありかは妻のレジーナが知っているに違いないと信じたギデオン、テックス、スコビーの3人がレジーナの前に現れ、「金をよこせ」と脅迫する。3人の脅迫からレジーナを守ろうとするピーター。しかしスコビーからの電話忠告により、レジーナの中には、ピーターも実は3人の仲間で25万ドルを狙っているのではないかとの疑いが芽生える。
 やがてスコビー、ギデオンが何者かに殺される。殺人者は? 次に殺されるのは? そして、25万ドルの行方は? そんな中、レジーナとピーターは互いに惹かれていく。


 これだけ、長々粗筋を書いても、ネタばれにならない優れたサスペンスの脚本。サスペンスとコメディとラヴ・ロマンスが上手くミックスされた本当に上質な映画です。

 1963年で当時ヘップバーンは、34歳。徐々に若いヒロインが難しくなっていくの年頃なのでしょうが、この辺りまでは、安心して観られますね。スターというのは、こういうハイ・クォリティーな映画にたくさん出られるので後世まで名前が残るんだなと思います。

 ヘップバーンのコメディエンヌぶりもなかなか見事。ジェームズ・コバーンってなんか好きだわ。ケーリー・グラントはいつものですね。

 ジヴァンシーの提供したヘップバーンの衣装も見ものです。