カビリアの夜 完全版 [DVD]/ジュリエッタ・マシーナ,フランソワ・ペリエ,アメディオ・ナツァーリ

¥3,990
Amazon.co.jp
カビリアは娼婦。でもいつかは幸せな結婚を夢見て、優しくしてくれる男に河に突き落とされバッグを奪われても、騙されたと考えないような女。まわりの娼婦仲間は彼女を頭の弱い可哀そうな女と扱う。
ある日、恋人と仲たがいした映画俳優に拾われ、彼の豪邸に連れて行かれるが・・・。
レヴューでよくみる彼女のことを無垢という意見が理解できない。カビリアは、売春で稼いだ金で家を買いその家と同じくらいの貯金もしている。売春というのは昔も今も手っ取り早く大金を稼ぐことを選ぶ女の生業なのだ。
そういう女が幸せな結婚を夢見るというのは、欲張りすぎと言わないか・・・?
冒頭彼女が河に突き落とされる場面で、また今回もフェリーニの演出に度肝をぬかれました。びっくりしました。でも、これこの映画の要約なのですよね。
彼女は間違っている。映画俳優は彼女に魅力を感じたから拾ったのではないし、彼女に優しくする男は金目当てだと・・・。彼女の欲に見合ったものしか与えられていない。
彼女は愛を学ぶ場面もある。ローマの郊外の地下の洞穴に住む貧民たちに施しをする男をみて彼の後をついて歩く。その姿に感動する。彼は施すだけ。見返りを求めていない。
だが、自分の夢が欲なのだとは気付かない。
そして、次もたやすく優しくする男にひっかかる。
ただ、最後に夜のピクニックに来た若者のあいさつに返す笑顔に思う。「彼女は自分の人生を受け入れたのだ。」と。
フェリーニは、凄いです。こういうリアリズムの映画をほぼ完璧に作ることのできる演出力をもって、『甘い生活』以後の抽象的な作品を撮るから凄い物が出来るのだなと改めて思いました。
奥さんのジュリエッタ・マシーナは日本でいえば森光子さんと泉ピン子さんを足して二で割った様な女優さんでしょうか。表情の演技などほとんど歌舞伎的です。
ヨーロッパやアメリカの映画賞では、日本の作品は不利だなということ。こういうキリスト教的世界観が理解されやすいという現実は今も大きく変わったとはいえない筈です。

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カビリアは娼婦。でもいつかは幸せな結婚を夢見て、優しくしてくれる男に河に突き落とされバッグを奪われても、騙されたと考えないような女。まわりの娼婦仲間は彼女を頭の弱い可哀そうな女と扱う。
ある日、恋人と仲たがいした映画俳優に拾われ、彼の豪邸に連れて行かれるが・・・。
レヴューでよくみる彼女のことを無垢という意見が理解できない。カビリアは、売春で稼いだ金で家を買いその家と同じくらいの貯金もしている。売春というのは昔も今も手っ取り早く大金を稼ぐことを選ぶ女の生業なのだ。
そういう女が幸せな結婚を夢見るというのは、欲張りすぎと言わないか・・・?
冒頭彼女が河に突き落とされる場面で、また今回もフェリーニの演出に度肝をぬかれました。びっくりしました。でも、これこの映画の要約なのですよね。
彼女は間違っている。映画俳優は彼女に魅力を感じたから拾ったのではないし、彼女に優しくする男は金目当てだと・・・。彼女の欲に見合ったものしか与えられていない。
彼女は愛を学ぶ場面もある。ローマの郊外の地下の洞穴に住む貧民たちに施しをする男をみて彼の後をついて歩く。その姿に感動する。彼は施すだけ。見返りを求めていない。
だが、自分の夢が欲なのだとは気付かない。
そして、次もたやすく優しくする男にひっかかる。
ただ、最後に夜のピクニックに来た若者のあいさつに返す笑顔に思う。「彼女は自分の人生を受け入れたのだ。」と。
フェリーニは、凄いです。こういうリアリズムの映画をほぼ完璧に作ることのできる演出力をもって、『甘い生活』以後の抽象的な作品を撮るから凄い物が出来るのだなと改めて思いました。
奥さんのジュリエッタ・マシーナは日本でいえば森光子さんと泉ピン子さんを足して二で割った様な女優さんでしょうか。表情の演技などほとんど歌舞伎的です。
ヨーロッパやアメリカの映画賞では、日本の作品は不利だなということ。こういうキリスト教的世界観が理解されやすいという現実は今も大きく変わったとはいえない筈です。
